鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

顧客はなぜあなたから商品を買うのか

先日、日本放送協会の番組で、自らの技術

を高く売るために、正社員として勤務して

いた美容室をいったん退職し、個人事業主

として、再び、その美容室と業務委託契約

をした、美容師のAさんについて取材した

レポートを放送していました。


(ご参考→ https://bit.ly/2Hjewj4


Aさんは、「個人事業主になれば、自分の

裁量で仕事ができると思っていた」もの

の、実際にはそのようにはならず、「他の

社員と同じ朝9時の出勤を求められ」た

り、「カットとシャンプーで5,000円

の料金(うち、Aさんの受け取り分は40

%)の料金について、ライバル店との競合

上、カットのみで2,500円に下げるよ

う会社から要求」され、収入が目論見と外

れてしまったということです。


このような結果をきくと、多くの方は、A

さんに対して、「世の中はそんなに甘くな

いということに気づかなかったのか」とい

う感想を持つでしょう。


私もAさんの例は、典型的な失敗例だと思

います。


だからといって、単純に、「Aさんのよう

なことはしてはならない」ということをお

伝えしようということではなく、多くの起

業家の方にとっても、Aさんの事例は、他

山の石にできる事例だと思い、紹介するこ

とにしました。


Aさんが失敗した理由は、ひとことで言え

ば、Aさんに「競争力」がなかったからと

言えるでしょう。


すなわち、業務委託契約元の美容室に来る

顧客のほとんどが、単に、その美容室に来

たのであって、Aさんを指名していたわけ

ではなかったのではないかと思います。


だから、料金の値下げにも応じなければな

らなかったし、出勤時刻も指定されること

になったのでしょう。


もし、Aさんが売れっ子美容師であれば、

料金の値下げもしないか、わずかですんだ

であろうし、出勤時刻の自由も美容室に聞

き入れてもらえたでしょう。


でも、Aさんは高いスキルはあったかもし

れませんが、それが個人事業主としてうま

くいく水準であったかどうかということま

で、十分に検討していれば、今回のような

事例には至らなかったのかもしれません。


これと同様に、私がこれまで見て来た事例

では、起業しようとする方の中には、起業

することが目的になっていて、自社の強み

があまり明確ではないまま起業する例は少

なくないと感じていますので、単に、自分

だけがスキルや独自性が高いと感じている

というだけでなく、第三者から見ても、お

金を払いたいと思えるスキルかどうかとい

うことを確認してからでなければ、起業後

に失敗してしまう確率は高くなってしまう

と思います。


もうひとつ言及したい点は、すでに起業し

ていても、売上があまり得られないという

会社の状況も、Aさんのような状況に似て

いると思います。


そのような会社からは、「あなたの会社の

顧客は、なぜ、あなたの会社から商品を買

うのですか?」という質問をしたとき、明

確な答えを得ることができません。


これはものすごく簡単な質問なのですが、

すぐに答えられる人は意外と多くありませ

ん。


事業をどう改善したらよいか思案している

会社経営者の方は、「あなたの会社の顧客

は、なぜ、あなたの会社から商品を買うの

か?」という問いに対しての答えを見つけ

ることから改善を始めてみることをお薦め

します。

 

 

 

 

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