鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

組織の自己目的化

最近、かんぽ生命が不適切な方法で保険契

約をしていたことが分かりました。


顧客をあざむくことは言語道断であり、こ

のことについてここで議論する必要はあり

ません。


ただ、かんぽ生命の不適切な契約は、やは

り不適切な融資を実行していた商工中金

重なって見える部分があり、どうしてこの

ようなことが重なって起きるのかというこ

とが気になったので、ここで私の考えを述

べてみたいと思いました。


かんぽ生命や商工中金などの政府系金融機

関は、民間金融機関でさえ顧客獲得に苦心

している時代にあっては、その役割を終え

つつあり、縮小、解体することが本筋だと

思います。


そうはいっても、直ちになくすことは現実

的ではないかもしれませんが、もし、本当

に必要とされているのであれば、ルールを

破ってまで利益を得ようとはしていないは

ずです。


すなわち、今回のルール違反は、自ら役割

を終えていることを証明しているようなも

のです。


ところが、政府系金融機関に対して行われ

ていることは、縮小、解体ではなく、基本

的には民営化だけであり、民営化しさえす

れば事業を継続させられるとは言い切れな

いでしょう。


したがって、株式会社化された両社は、な

んとか利益を得なければ、自分たちの存在

意義が問われるとの焦りもあり、無理な営

業活動を行った結果、ルール違反をしたと

いうことになったのだと思います。


このような、政府系金融機関の現在の状況

は、組織の自己目的化(組織が維持される

ことが目的となること)として、かつてか

ら指摘されています。


私も、政府系金融機関は、かつては必要と

されていたと思いますが、現在のように競

争が自由化された時代では、その役割は終

わりつつあります。


そこで、前述の通り、本来は、縮小、解体

すべきところを、政治的要因で組織が存続

されることになったのでしょう。


その組織の自己目的化が、ルール違反を誘

引し、利用者に迷惑がかかってしまう結果

となったことも、前述の通りです。


このようなことが起きないようにするには

どうすればよいのかということは、別の機

会に述べたいと思いますが、民間会社でも

同様のことが起きている例を見ることがあ

ります。


少なくとも、経営者の方は、顧客(市場)

があって自社があるという考えを持ち続け

なければ、逆に、自社の価値をますます低

くしてしまうことになります。

 

 

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

 

 

f:id:rokkakuakio:20190716215530j:plain

 

 

 

 

●当事務所の7月~8月の予定をお知らせ

します。




 「スカイプ相談実施日」

7月23日(火)

詳細とお申込み→ https://goo.gl/fShaEi

 

 

「経営入門セミナー」

7月25日(木)19:00~21:00

詳細とお申込み→ https://amba.to/2FpGdpf

 

 

「融資に強くなる勉強会」

8月5日(月)13:00~15:00

詳細とお申込み→ https://amba.to/2xsDIye

 

 

「信用保証協会徹底活用セミナー」

8月19日(月)13:00~15:00

詳細とお申込み→ http://bit.ly/L3TmzF