鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

合成の誤謬

先日、久留米大学教授の塚崎公義さんが、

ポッドキャスト番組で、「合成の誤謬(ご

うせいのごびゅう)」についてお話されて

おられました。


(ご参考→ https://bit.ly/2KsPSj6


「ごうせいのごびゅう」という訳し方は

仰々しいので、私も分かりにくい言葉だ

と思うのですが、英語では、'fallacy

of composition'で、直訳すると、「合わ

せることによって起きるる誤り」というこ

とになると思います。


これについては、塚崎さんはいくつかの例

を示しておられますが、それ以外で有名な

のは、景気が悪いときは、個人が節約して

あまりお金を使わないようになるので、ま

すます景気が悪くなるというものです。


この合成の誤謬は、個人の経済活動以外に

も、会社の事業活動にもあてはまると思っ

ています。


最近は、人手不足が深刻な問題になってい

ますが、この要因のひとつは、会社に勤務

していると、出産や育児がむずかしいとい

う状況があるようです。


このような会社は少ないと思いますが、出

産をする女性従業員は、不文律で退職しな

ければならない会社もあるようです。


本来は、出産・育児は、家族だけの負担で

行うべきことではなく、社会全体で支援す

べきことであるのに、その負担を避けたい

と考える会社は、出産・育児をする従業員

に対しては、厳しい条件を出してしまうの

でしょう。


そこで、そのような会社側の都合で、本当

は出産をしたいと考えている従業員が、出

産を思いとどまる可能性があります。


その結果、社会全体では出生率が低くな

り、ますます人手不足が深刻化してしまい

ます。


この育児問題以外にも、会社が取り組むべ

き課題には、環境問題、従業員の働き方、

ダイバーシティなどさまざまです。


その一方で、規模の小さい会社は、あまり

大きな負担は受け入れることが不可能とい

う事情もあり、一概に、どんな会社も社会

問題に取り組まなければならないというわ

けではありません。


ただ、「自社だけは負担は避けたい」と考

えていると、「合成の誤謬」の論理によっ

て、いつかは自社の経営環境に悪影響が及

んでしまうことになります。


そこで、具体的な例は割愛しますが、でき

ることから社会問題に取り組むことが大切

になるということを、塚崎さのお話を聴い

て感じました。


また、そういった社会問題に取り組んでい

る会社ほど、社会から評価され、モチベー

ションの高い若者からいっしょに働きたい

と思ってもらえるようになると思います。

 

 

 

 

 

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