鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

SWOT分析は恣意的

早稲田大学ビジネススクール教授の山田英

夫さんが、ダイヤモンドに寄稿した、「S

WOT分析に3C分析、定番フレームワー

クで『正しい戦略』は策定できるのか」と

いう記事を読みました。


(ご参考→ https://bit.ly/2KqmfyM


記事の主旨は、いわゆる、ビジネスフレー

ムワークは、作成する人の恣意性が入るの

で、正しい経営戦略を導き出せることはあ

まりなく、むしろ、結論が先にあって、そ

の説得力を高めるために、後付けでSWO

T分析などが行われることが多いというこ

とです。


私も山田さんと同じ考えを持っています。


そもそも、環境分析で正確な数値を得るこ

とは不可能か、可能だとしてもそれを得る

ためには大きな労力(またはコスト)が必

要です。


ですから、大企業でない限り、私はおおよ

その目分量の数値を使うことが合理的であ

ると思っています。


また、受け止め方によって、同じ事実はポ

ジティブにもネガティブにもなります。


例えば、最寄駅までの距離が1kmあるレ

ストランは、交通の便が悪い場所にあると

とらえることもできるし、競合する店が少

ないところにあるととらえることもできる

ので、それは、経営者がどちらでとらえる

かによると思います。


では、このようなフレームワークを使うこ

とは無駄なのかということになるかという

と、私は無駄ではないと思っています。


そもそも、自社の経営環境を正確に把握し

ようとすることがほぼ不可能であり、仮に

「正確でないものは採用すべきでない」と

いう前提があれば、ほぼすべての環境分析

は不適切になってしまいます。


しかも、環境分析は、多くの場合、特に中

小企業では内部でしか使わないので、正確

性を追求する必要性はさらに低くなると思

います。


では、環境分析において、経営者の恣意性

が入ることについてはどうかということで

すが、「黒を白」と言いかえるようなこと

をしない限り、私は効果はあると思ってい

ます。


むしろ、まったく根拠なく、成行で事業を

進めるよりも、正確ではなくてもそれなり

の根拠をもって事業の方向を決めることの

方が、事業をより早く成功に導くと言える

でしょう。


そもそも、中小企業の多くは、事業計画さ

え立てていません。


そうであれば、不正確であっても環境分析

を行って、事業の方向を決めることそのも

のに大きな価値があると、私は考えていま

す。


ただし、ここで、「環境分析は不正確でも

問題ない」と主張する意図はありません。


正確な環境分析はできなくても、ある程度

の根拠を持って、どの方向に事業を進める

かを検討するプロセスを経験することが大

切だと考えています。


仮に、最初に立案した事業計画がうまくい

かなかったとしても、それを実践してみて

修正する方向が徐々に明確になって行きま

す。


環境分析が正確にできないことをもって、

事業計画を立案することを否定するべきで

はないと、私は考えています。

 

 

 

 

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