鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

知恵借り十両

先日、米沢藩の財政を建て直したことで有

名な上杉鷹山が、「働き一両、考え五両、

知恵借り十両」という言葉を残しているこ

とを知りました。


これも有名な言葉なので、あえて言及する

必要はないと思いますが、念のために説明

すると、働くことは一両の価値があるが、

自ら考えて働くことは五両の価値があり、

さらに、ほかの人の知恵を借りて働くこと

十両の価値がある、ということだと思い

ます。


では、なぜ、鷹山の言葉を引き合いに出し

たかというと、経営者の方はコンサルタン

トなどの専門家の知恵を借りて活用するべ

きだということを、私が伝えようとしてい

るからと受け止める方も多いと思います。


確かに、私がそのように感じる面もあるの

ですが、それよりも強く感じることは、中

小企業では、あまり、社外からノウハウを

採り入れることは少ないと感じており、そ

ういう会社経営者の方には、ぜひ、鷹山の

言葉について再度考えてみていただきたい

と思っています。


これに対して、「いや、私は多くの本を読

んだり、著名な経営者の講演を聴いたりし

て、自社の事業改善に活用している」と考

える経営者の方も多いと思います。


そのようなことを実践しておられる経営者

の方を私はたくさん知っており、そして、

そのような姿勢はすばらしいことと思いま

す。


でも、自社の財務諸表をきちんと官報や新

聞で公告したり、融資を受けている銀行に

決算書ができたら報告に行ったり、経営計

画を立案して銀行や従業員に報告している

会社はどれくらいあるでしょうか?


恐らく90%以上の会社は、「自社の経営

には、部外者からは口を挟まれたくない」

などといった考えから、積極的に情報を開

示していないと思います。


でも、自社の情報を積極的に公開すること

によって、外部からよりよい情報を得、業

績を伸ばしている会社もあります。


(ご参考→ https://goo.gl/5s9n9k


また、経営に関する情報だけでなく、中小

企業では、多くのことを自社で抱えてしま

う傾向にあると思います。


それは、自社の事業の一部を外注してしま

うと、外注費という固定費で経費が顕在化

してしまいますが、外注しなければ、外注

できる作業に関する費用が自社の人件費の

一部になり、それが見えにくくなってしま

うので、経営者の方はそれで安心してしま

うのだと思います。


例えば、流通業の実地棚卸業務は専門の棚

卸を代行する会社があり、そのような会社

に実地棚卸の代行を依頼すると、一見して

その外注費は高いと感じられるかもしれま

せん。


でも、不慣れな従業員に実地棚卸を行わせ

て残業代を払うよりも、専門家に任せた方

が、正確、かつ、短時間で棚卸を終わらせ

ることが可能になるかもしれません。


さらには、自社だけでは得られない高度な

ノウハウを、専門会社から得られる可能性

があります。


このような、自社にとって本来の業務以外

の業務は、あえて抱えない方がよいという

例が少なくないのですが、コストの顕在化

が経営者にとって心理的な壁となり、なか

なか効率化が進まない例が多いと、私は感

じています。


もちろん、会社の中のどんな業務でも外注

すればよいということではありませんが、

日本の中小企業では、「知恵借り十両」を

実践する余地はまだまだ多いと私は感じて

います。

 

 

 

 

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