鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

流動性の高い会社への融資

先日、ある、税理士の方から、流動性の高

い会社は、融資を受けることができるのか

という質問を受けました。


流動性が高いとは、手許の現預金がたくさ

んあるということです。


例で示すと、総資産1億円のうち、現預金

が3,000万円、棚卸資産などのそのほ

かの流動資産が3,000万円、固定資産

が4,000万円という感じの会社です。


この会社のような比率だけとは限りません

が、総資産の30%以上の現預金(国債

投資信託などの、すぐに換金できる有価証

券も含みます)を持っている会社は、流動

性が高いと言えるでしょう。


ちなみに、このような会社は、自己資本

率も高い会社です。


手許現金を融資で調達することは、理論的

には可能ですが、自己資本比率が低い会社

(≒業績がよくない会社)は、融資をして

もらえる金額も大きくないので、手許現金

の大部分は、過去の利益の蓄積(≒内部留

保)によるものということになります。


したがって、そのような会社の自己資本

率は、多くの場合、50%以上ということ

になるでしょう。


話を戻して、冒頭のような質問を受ける背

景には、流動性の高い会社が、銀行との融

資取引の実績を作って置きたいものの、手

許の現預金が多いと、融資を受けなくても

事業は維持できるので、それを理由として

銀行から融資を断られるかもしれないとい

う懸念を持つことが挙げられます。


結論としては、その懸念通りになる可能性

があります。


ただ、そのような回答をする銀行の割合は

少ないと思います。


多くの銀行は、流動性の高い会社に対して

は、融資をしても返済してもらえる可能性

が高い上に、融資をした金額のうちの何割

かは、そのまま預金として銀行口座に残る

可能性が高いので、融資に応じると思いま

す。


この、流動性の高い会社が銀行から融資を

受けることについては、賛否両論あります

が、私としては、融資取引の実績を作って

おく方が望ましいと考えています。


ただし、融資実績を作ったことが、将来も

融資を必ず受けられるという保証にはなら

ないという点に、注意が必要です。

 

 

 

 

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