鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

とんがる

私が銀行に勤務していた時のことですが、

本社の事務部門で、融資事務を担当してい

たことがありました。


主な仕事は、法令やシステムが変更になっ

たときなどに、規則を改定したりすること

です。


銀行の職員は、事務規則にしたがって融資

事務を行うわけですから、規則通りに事務

を行った結果が、法令に触れていたり、銀

行に損害を与えてしまったりすることのな

いよう、慎重に規則を作ることが求められ

ます。


しかし、間違いが起きないことだけを優先

しすぎると、職員に大きな事務負担となっ

てしまったり、顧客に不便をかけてしまっ

たりするので、最低限のことだけに絞らな

ければなりません。


そして、さらに気をつけなければならない

ことは、規則が分かりやすい文章であるこ

と、正しい事務を正確に伝えられるもので

あること、誰が読んでも同じように伝わる

ものであることなどでした。


そこで、規則の制定や改定のときは、先ず

私が書いた規則の原案を、同じ部署の何人

かの上司に見直してもらいます。


しかし、銀行の職場風土の影響もあって

か、見直しをしてもらっていくうちに、い

ろいろな細かい説明が追加されてしまった

り、自分なりに工夫した表現を削除されて

しまったりして、何の代わり映えしない、

つまらない文章になってしまうことが多く

ありました。


そして、最終的には、私の自分なりの工夫

はあまり反映されず、現場の人が読むと、

「???」と思えるような規則が制定・改

定されるということになり、私としては、

そのたびに不満を感じていました。


そして、銀行を退職し、フリーランス

なってから、出版の機会を得ることになり

ました。


原稿には、主に、会計の規則を説明する文

章を書いていったのですが、その時、かつ

て、銀行で規則の制定・改定をしていたと

きの経験が役立ちました。


すなわち、会計の専門家向けの文章をその

まま書いていては、入門書としては評価さ

れないので、どうやって分かりやすく、か

つ、正確に伝えるかということに、相当の

工夫をしました。


そのため、本のところどころに、「正確さ

を犠牲にして分かりやすく説明すると…」

とか、「初学者の方は、おおよそ、この通

りに理解して差し支えありませんが、さら

に詳しく学びたい方は、専門書を参照して

ください」といった文章を入れることにな

りました。


そのときはどれほどの効果があるかはわか

らなかったのですが、無名の著者が地味な

ジャンルで書いたその本は、結果として、

発売後も7年間売れ続け、累計発行部数は

1万部を超えました。


この私の経験を踏まえた今回の記事の結論

は、大きな組織では、どうしても事なかれ

主義で事業活動をしてしまいがちですが、

だからこそ、規模の小さい会社は、特色を

出すことで評価されるということです。


このような方は少数派だと思いますが、も

し、会社が小規模なのに、新しい活動をし

ようとするときに、「何かあったらいけな

い」と考えてしまう経営者の方がいるとし

たら、それはとてももったいないことだと

思います。

 

 

 

 

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