4月17日に、日本銀行が、金融システム
レポートを公表しました。
(ご参考→ https://bit.ly/2IN2yzp )
この資料は、やや難解ですので、これに関
する報道記事をご参考にしていただくと、
理解しやすいと思います。
(ご参考→ https://bit.ly/2Iz7jNJ )
この記事によれば、「これまでのペースで
企業の借り入れ需要が減少を続ける場合、
10年後には地域銀行と信用金庫の半数以
上が最終利益で赤字に転落」するとありま
す。
さらに、「総じてリスクアセット拡大に見
合った収益を確保できておらず、自己資本
比率、ストレス耐性は緩やかに低下してい
る」と、収益性の悪化が進んでいることを
示しています。
このレポートの内容は、ここ数年間、同じ
傾向を示しており、さらに今回は金融機関
の収益環境の悪化が進んでいることがわか
ります。
とはいえ、「だから、今後、金融行政はど
うなるのか」というところがなかなかわか
らない面が、このレポートを読んでものた
りないという印象を持ちます。
確かに、調査したのは日本銀行なので、金
融行政には触れないことは当たり前なので
すが、日本銀行も民間金融機関に対して考
査を行っており、その際、どういった指導
を行うのかという点は不明確です。
(ご参考→ https://bit.ly/2L7zupt )
レポートでは、今後の金融機関の課題とし
て、「(1)リスクに応じた貸出金利の設
定、(2)企業の課題解決や家計の資産形
成支援を通じた役務収益力強化、(3)経
営効率の抜本的改善」ということを挙げて
いますが、これでは抽象的です。
はなかなか示さないのですが、地域金融機
関に対しては、合併などによる体質強化を
促していくものと思います。
もちろん、金融機関自身にも、経営能力を
高める努力が必要ですが、現在の経営環境
の悪化が進む中で、それだけでは乗り越え
ることは難しいと思われます。
そして、もうひとつ注意しなければならな
い点は、金融機関の融資先の選別が進んで
いくであろうということです。
以前もこの件に触れましたが、現在の中小
起業政策では、かつてのように「中小企業
=弱者」という前提をとっておらず、能力
のある中小企業に絞って支援を行う方針に
なっています。
(ご参考→ https://bit.ly/2IyYG5P )
したがって、金融機関にとって負担の大き
い、いわゆるゾンビ企業のような会社への
支援は避ける傾向が進むと思います。
うなレポートによって、金融機関の経営環
境の悪化を掲げていますが、それは、金融
機関だけの問題ではなく、金融機関が融資
をしている会社を含めた問題と認識するこ
とが妥当であると、私は考えています。
これは私の想像ですが、地方の人口減少に
ともない、収益体質の弱い会社が増えるこ
とによって、それを支えている金融機関の
負担が増えることを避けたいと金融当局は
考えており、それを直接的には言及せず、
遠まわしにアナウンスすることが、日本銀
行などの公表するレポートの目的となって
いると思います。
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