鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

攻めと守り

丸亀製麺を運営するトリドールホールディ

ングスのIRを担当している小野正誉さん

のご著書、「丸亀製麺はなぜNo.1にな

れたのか?非効率の極め方と正しいムダの

なくし方」( https://amzn.to/2U73SUE )

を拝読しました。


タイトルからも分かるとおり、攻め(非効

率の極め方)と守り(正しいムダのなくし

方)で同社は業績を高めてきたということ

が分かりました。


攻めは、作り立てのうどんを提供するため

に、席数を減らしても店に製麺機を置いて

店で麺を作る、マニュアルでは細かいこと

は決めずにスタッフに臨機応変に対応して

もらっている、全員がいいねという最大公

約数的なうどんは、味が平均化してしまい

個性がなくなるので、つるつる、もちもち

といった際立つ個性によって、120点の

うどん作りを狙っている、などといった方

針です。


これは私の分析ですが、これらの方針は、

成功の要因でもあると同時に、実は、失敗

のリスクも高く、紙一重の差であるとも思

います。


ただ、リスクが高いからといってそれを避

けていては競争に勝てません。


あえてリスクのある方針を採り、それに対

して精緻な管理を行っているところが、同

社の強みなのだと思います。


守りについては、例えば、羽田空港店の売

上を2倍にしたという事例があります。


これは、顧客の入店から出店までの導線を

短くして回転率を上げたという手法で、そ

のひとつは、お冷のピッチャーをテーブル

に置いて、座ったまま水をコップに注ぐこ

とができるようにしました。


同様に、天かすや刻みねぎを入れた容器の

置き場所を、1か所から3か所に増やし、

顧客が天かすなどを取るために列を作るこ

とを防ぐという工夫もしています。


これらの工夫は、効果としてはわずかなも

のですが、同社では、わずかでも効果のあ

る工夫を全店で共有し、それらの工夫の積

み重ね、すなわち「守り」の戦術で、売上

を2倍にするという成果を得ています。


これもこれまで何度か述べてきましたが、

著しい業績を上げている会社は、派手な戦

術を実践していると感じてしまうかもしれ

ませんが、小野さんの本を読んで、基本的

なことを深堀して業績を高めているという

ことを、改めて確信しました。


これは、言い換えれば、業績を高める手法

は多くの人が見つけられないでいるのでは

なく、多くの人が知っているものであり、

それを忠実に実践できるかどうかで業績が

決まるということだと思います。

 

 

 

 

 

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