鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

制度を作るだけでは意味がない

私がかつて勤務していた銀行に勤め始めた

ころのことなのですが、先輩社員が、休暇

に関して、次のようなことを言っていまし

た。


すなわち、「長期休暇(就業規則によって

職員に取得が義務付けられている、5日間

の休暇制度)をとろうとすると、上司から

『だいぶ仕事が順調なようだね』と嫌味を

いわれるが、かといって、ずっととらない

でいると、年度末になって『どうして長期

休暇をとらなかったのか』と怒られる。


とってもとらなくても嫌な思いをするのだ

から、嫌味を言われても長期休暇はとった

方がいいぞ」というものです。


当時は、長時間労働が当たり前の時代で、

「企業戦士」がもてはやされていたという

背景があったとはいえ、「会社は職員に対

して休暇をとって欲しいのか欲しくないの

かはっきりして欲しいなぁ」と、私は思っ

ていました。


ただ、当時は銀行業界で不祥事が多発して

いたころで、そのような不祥事を起こした

銀行の職員の共通した特徴に、不正が発覚

しないように、休暇をまったくとらなかっ

たというものがありました。


そこで、銀行が職員に休暇を義務付ける理

由には、不正を防ぐという意味もあり、私

も痛くない腹を勘繰られたくないので、休

暇をとるようにしていました。


その後、私が銀行を退職してからのことで

すが、知人に上述のようなことを話す機会

がありました。


これに対して、知人は、「たとえ仕事は忙

しくても、与えられた課題を遂行すると同

時に、休暇がとれるように段取りすること

までを含めて職員の義務と考えるべきだ」

と言われました。


私もこの考え方には賛成です。


とはいえ、当時の銀行は、採用を抑えるな

ど、職員数を減らしており、1人あたりの

仕事の量は増え続けていたので、決められ

た通りに休暇をとることは決して容易では

ありませんでした。


だからといって、職員が休暇をとらなくて

も仕方ないということにはなりませんが、

管理者層も制度をつくるだけで、後は職員

自身に任せるだけということでは、制度の

意味はあまりなくなってしまうでしょう。


今回は、休暇制度を例にとりましたが、会

社のなんらかの施策について、経営者の方

は制度や規則を作るだけにしてしまうとい

うことは起こりがちと感じています。


これは事業においても同じことが言えます

が、何かを始める時は、何をもって目標達

成と考えるか、それを実現するには、誰が

いつまでに何をするかまでを明確にしなけ

れば、単なるかけ声倒れになってしまいま

す。

 

 

 

 

 

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