鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

組織開発と人材開発

先日、立教大学中原淳教授などの著書、

「組織開発の探究」を読みました。


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私のコンサルティングは、「組織の力を強

くする」ことが大きな柱なので、この本で

より詳しく組織開発を学ぼうと考えたから

です。


ところで、この本には、「組織開発と人材

開発は、ちゃんぽんになりがち」という記

述がありました。


では、組織開発と人材開発の違いは何かと

いうことですが、同書では組織開発の定義

を明確にすることは、学術レベルでは可能

であっても、実践レベルでは難しいと述べ

ています。


私もその考え方に与するのですが、あえて

ひとつの例を示すと、経営コンサルタント

の板坂裕次郎さんのご著書に書かれていた

高校野球チームの例え話が該当すると考え

ています。


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「中小企業の社長は、高校野球に例える

と、地区予選を2つか3つ勝ち上がるチー

ムの4番でエースだ。


9回まで相手チームを0点に抑え、自らが

ホームランを1本打てば試合に勝てる。


しかし、甲子園に出る強豪チームは、1番

打者が内野安打で出塁し、2番打者がバン

トで送り、3番打者が四球を選び、4番打

者が適時打で得点するという、役割を分担

して試合に勝っている。


会社経営でも、社長がひとりで会社を引っ

張っていくには限界があり、従業員全員で

役割分担をするようにしなければ、頭打ち

になる。


そこで、全員野球で成功したいなら、社長

は現場から一歩引き、監督に徹しなければ

ならない」(159ページ)


この例え話で言えば、4番でエースの選手

が、自分の実力を高めることが人材開発で

あり、チームの監督がメンバーそれぞれに

適切な役割分担をさせ、各々の実力を発揮

させるような体制づくりや環境整備をする

ことが組織開発です。


では、なぜ組織開発が必要なのかというこ

とは、これも板坂さんのご著書に書いてあ

るように、4番でエース(社長)だけが力

を発揮しても、事業の拡大には限界がある

からであり、これも多くの方がすでに理解

されていると思います。


その一方で、冒頭で紹介した書籍の「組織

開発の探究」でも述べられている通り、い

まだに「組織開発と人材開発は、ちゃんぽ

んになりがち」です。


その理由は明確には分からないのですが、

「組織開発」の指す「組織」は、目に見え

ない無形のもので、とらえにくいからだと

私は考えています。


「いや、会社の組織は、組織図でちゃんと

見えるようになっている」と考える人もい

ると思いますが、組織開発で指す組織とは

もっと動的なものです。


とはいえ、組織そのものについての言及

は、文字数の兼ね合いからここまでにしま

すが、事業を発展させるために重要性を増

している、組織と組織開発について、もっ

とたくさんの方に理解してもらえればと、

私は考えています。


ちなみに、この組織開発については、次回

の私の著書のテーマの大きな柱のひとつに

しようと考えているところです。

 

 

 

 

 

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