鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

いい目つき

私がまだ20代で、銀行の営業店に勤務し

ていたときのことですが、銀行の近隣に業

況のよい会社があり、その会社に融資取引

を依頼していたことがありました。


しかし、その会社に何度か訪問しても、肝

心の社長になかなか会うことができないで

いました。


そんな中、社長夫人から、朝の5時に会社

に来れば社長に会うことができると教えて

もらえました。


そこで、早起きして朝5時にその会社を訪

問したところ、ようやく社長に会うことが

できました。


そのとき、社長は私に対して、「いい目つ

きをしているね」と言い、その後、スムー

ズに融資取引をしてもらえるところまで漕

ぎつくことができました。


ここまでの経緯だけを読むと、私が朝早く

会社に来たことに社長が関心して、取引に

応じてくれたという美談というように受け

止められると思いますが、多くの場合、そ

れほど簡単に話は進むことはありません。


どれだけアプローチしても、取引をしても

らえない会社もあります。


むしろ、門前払いされる会社の方が圧倒的

に多いです。


ただ、前述の会社の社長は、何か取引をす

るだけの甲斐があることを、私の姿勢から

感じ取ってくれて、それを「いい目つきを

しているね」という言い回しをしたのだと

思います。


だからというわけではないのですが、銀行

から見て業績のあまりよくない会社には、

逆の印象を感じてしまうことが多くありま

した。


赤字が続き、恒常的に資金不足の会社の経

営者は、銀行に来るたびに融資をして欲し

いと口にするのですが、銀行から審査に必

要な資料の提出を依頼しても、なかなか提

出してもらえないという例が多かったと記

憶しています。


たまに、銀行から提出を依頼した資料を、

翌日に持ってくるという会社がありました

が、そういった会社は、融資を受けてから

は、すぐに業績を回復していきました。


これも私が言及するまでもないですが、ク

イックレスポンスは、融資をする側から見

て、安心材料になります。


もちろん、それだけで融資判断をするわけ

ではありませんが、信頼は得やすくなりま

す。


今回の記事の結論は、あたりまえすぎるこ

とですが、交渉ごとにおいては相手に何ら

かの心を動かすための行動をとることが大

切ということです。


行動がともなうからこそ、口から出る言葉

も信用されるという基本は、実践されてい

るようで、そうでもないと私は感じていま

す。

 

 

 

 

 

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