鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

オーバーバンキングでも借りられない?

先日、ある信用金庫の理事長とお話しする

機会がありました。


理事長によれば、その信用金庫では採算の

とれる金利で融資をすることがなかなかで

きないでいる。


そこで、収益を増やすために、融資量を増

やそうとしているが、その結果、不良債権

も増え、さらに収益を圧迫するという悪循

環になっている、ということでした。


これをきくと、融資をなかなか受けられな

いでいる会社としては「???」と感じる

かもしれませんね。


これについては後述するとして、金融機関

が採算のとれる金利で融資ができていない

ことは事実だと私も思います。


金融機関自身も、さらに合理化をすべきで

はないかと考える人もいると思いますが、

日本銀行の統計によれば、平成30年11

月の信用金庫の新規融資の貸出約定平均金

利は、1.772%であり、十分に低い金

利と言えるでしょう。


(ご参考→ https://goo.gl/kZrbj3


この融資金利が低くなっている要因は、や

はり「???」と思う中小企業経営者の方

もいると思いますが、金融機関が多い、す

なわち、過当競争にあるからと言えると私

は考えています。


逆を言えば、融資を受けたい会社に対して

金融機関の数が多いとも言えます。


では、金融機関は融資を増やそうとしてい

るのに、融資を希望しながら受けられない

でいる会社があるとすれば、それはなぜで

しょうか?


その原因のひとつは、業績が悪くて融資を

受けられないということになると思います

が、もうひとつは、金融機関が融資の可否

を判断できるだけの資料を提出できないか

らだと思います。


金融機関は、融資を受けたい会社から、年

1回作成される決算書を提出してもらって

おり、それだけで融資を判断することもで

きますが、決算書だけで判断できる融資は

運転資金だけです。


恐らく、資金繰が苦しいという会社は、す

でに決算書から判断できる融資額は融資を

受けており、それでもお金が足りないとき

に、それに対して判断してもらえる資料を

作成できないのだと思います。


今回の記事の結論は、金融機関も自らの収

益を確保するために融資を増やそうとして

いるわけですから、業績がよほど悪くない

限り、きちんと資料を作成できれば融資は

受けることができるということです。


ちなみに、私自身、金融機関に融資を打診

したら、融資を断わられたという会社から

相談を受け、私が説明資料を作成して提出

してもらったところ、融資に応じてもらえ

たという例はたくさんあります。


したがって、「融資をなかなか受けられな

い=金融機関が貸し渋りをしている」と考

えることは実態と異なると、私は感じてい

ます。

 

 

 

 

 

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