鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

負担の大きいことは長続きしない

先日、私の住む町の自治会長さんとお話す

る機会がありました。


その自治会長さんからは、かつて、お正月

に町内の神社で行っていたお囃子が、数年

しか続かなかったことがあったということ

をききました。


その原因は、お囃子を始めようというとき

は話が盛り上がったものの、実際に始めて

みると、準備などの負担が大きかったため

に、長続きしなかったそうです。


そのようなことがあってから、その自治

長さんは、町の恒例行事を始めようとする

提案は歓迎するものの、打ち上げ花火のよ

うに、一瞬で終わってしまうことのないよ

う、負担を軽くするものにして欲しいと要

請しているそうです。


このような例は、会社の事業の中でも見る

ことがあります。


例えば、毎朝、職場を掃除すると漠然と決

めても、強い意志があれば別ですが、大抵

は長続きしません。


でも、月曜日は机の上だけ、火曜日は床だ

け、水曜日はロッカーの中の不要物の点検

だけ…というように、負担を小さくするこ

とで、最初はあまり効果がないように思わ

れますが、結果として長続きする方が効果

が得られることになるでしょう。


もうひとつの例としては、いきなり難しい

ことに挑もうとする場合です。


例えば、社長が、自社の事業をホスピタリ

ティの高いものにしようと目標を掲げたも

のの、そもそもホスピタリティとはどうい

うものかということを従業員の方が理解し

なければなりません。


ホスピタリティの理解が浅かったり、ホス

ピタリティを実践するためのスキルが未熟

である状態のままで、新しい方法で事業を

進めようとしてもうまくいきません。


まず、自社の現状を分析して、どうすれば

目標とする状況に達成することができるか

を検討して、実現可能性を十分に検討する

必要があります。


これは、私の事業改善のご支援の経験から

感じることですが、中小企業経営者の方の

中には、何を始めるかばかりが頭の中を占

めてしまって、体制整備が十分でないこと

は抜け落ちていることが多いように感じま

す。


経営者の方は、1日でも早く成果を得たい

と思うことは理解できますが、十分な手順

を踏まずに新しいことを始めても、多くの

場合は失敗してしまいます。


だからといって、何事もゆっくりやればい

いのかというと、決してそういう訳ではあ

りません。


組織が、最初はゆっくりであっても、いろ

いろな経験を積むことによって、やがて難

易度の高いことも時間をかけずにできるよ

うになって行きます。


すなわち、組織が学習をすることで、更に

難易度の高いものも短期間で実践できるよ

うになります。


経営者としては、何をするかを決めること

も大切ですが、組織の能力も高めていくと

いう働きかけも欠かすことができません。


そして、強くなった組織は、簡単にはライ

バルには負けない事業を実践できる組織に

なって行きます。


経営者の最終的な目的は、確実、かつ、持

続して成果を得ることですので、冒頭で触

れた自治会長さんのように、大局的な観点

で経営に臨むことが大切だと思います。

 

 

 

 

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