鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営者は結果よりもプロセスにこだわる

昨年からスルガ銀行の不正融資が大きな問

題となっていますが、私は、監督官庁の金

融庁のこれまでの対応と、業績がよくない

会社の経営者がかぶって見えます。


というのは、昨年の7月まで金融庁長官

だった森さんは、スルガ銀行の不正融資が

表面化するまでは、同行をお手本の銀行と

たたえていました。


(ご参考→ https://goo.gl/3aQr3x


本旨から少し話がそれますが、金融庁は銀

行に対して監督権限がある官庁ですから、

その長官が同行を賞賛するのであれば、一

般の人たちは、当然、同行の内情を詳しく

承知している上で評価していると受け止め

るでしょう。


しかし、結果として、金融庁は昨年までは

同行の不正融資には気づいていなかったよ

うです。


もし、気づいていたら、同行を賞賛するこ

とはしないでしょうし、直ちに不正を改め

るよう指導していたでしょう。


このように、監督官庁であるにも関わら

ず、不正融資をしていた銀行を賞賛したこ

とは、金融庁の失態です。


ただ、今回の記事の本旨は、金融庁への批

判ではないので、次に話を進めると、金融

庁は、地方の人口減少にともなう地方銀行

の業績悪化を食い止めたいという意図を、

ずっと抱いていたようです。


そこで、事業内容をよく精査していなかっ

たとはいえ、表面的に業績のよいスルガ銀

行を賞賛することで、地方銀行であっても

決して業績を改善できないことはないとい

う事実を示したかったのであろうというこ

とは、容易に想像できます。


要は、不正融資さえなければ、スルガ銀行

金融庁にとって都合のよい存在だったと

いうことです。


しかし、実態は、スルガ銀行の大きな収益

源であった投資用不動産向け融資も、書類

を改ざんすることで増やしてきており、金

融庁の目論見ははずれてしまいました。


では、金融庁はどうすればよかったのかと

いうと、業績のよい銀行の事業モデルを示

すことでした。


スルガ銀行の事業モデルが本当にすばらし

いのであれば、結果だけを見ずにプロセス

も調査し、ほかの銀行に示すべきであった

でしょう。


そのような本格的な調査をしていれば、ス

ルガ銀行の不正も早い段階で見抜くことが

でき、森前長官の失態も防ぐことができた

でしょう。


ただ、森前長官を始めとし、金融庁の職員

には事業経験はないので、銀行に対して問

題点の改善を指摘することはできても、安

定的に事業を展開するにはどうすればよい

のかということは示すことはできなかった

のでしょう。


ここで、話を冒頭に戻すと、事業のうまく

いっていない会社経営者も、部下に対して

結果ばかりを求め、具体的にどういうこと

をすれば業績を向上させることができるか

ということは助言できないという特徴があ

ると私は考えています。


確かに、プロセスについて部下に助言し、

業績をあげさせることは簡単なことではあ

りませんが、だからこそ、経営者の能力が

問われる部分であると思います。

 

 

 

 

 

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