鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営品質は畑の土

これまで3回にわたって組織の能力につい

て説明してきましたが、この組織の能力と

は、経営品質とほぼ同義語であると私は考

えています。


では、経営品質とはなにかというと、これ

は明確な定義はないので、私なりに考えて

いるものを述べると、ISO9001で求

める経営品質とほぼ同じものです。


とはいえ、経営品質の指すものは抽象的な

ので、直ちに理解することは難しいと感じ

る方も少なくないと思います。


そこで、経営品質ときいてピンと来ない方

には、経営コンサルタントの望月広愛さん

のいう、「経営品質の成熟度」(以下、単

に「成熟度」と記します)をご紹介してい

ます。


この成熟度は、経営コンサルタントの望月

広愛さんのご著書「文句ばかりの会社は儲

からない!」( http://amzn.to/2fiuPhw )

に書かれていたものです。


具体的には、リーダーシップ、社会的責

任、顧客対等などでそれぞれA~Dの4つ

のレベルで成熟度が示されています。


例として、これらの中から、ひとつ、リー

ダーシップについて引用します。


Dレベル:おれの言うとおりにやれ。


Cレベル:売上・利益をあげろ。


Bレベル:価値をつくろう。


Aレベル:価値創造のしくみをつくろう。


レベルDからAに行くにしたがって、組織

的な活動をしている会社のリーダーシップ

になっていくということがご理解いただけ

ると思います。


話をもどして、今回お伝えしたいことのひ

とつは、経営品質の向上は、組織の構成員

の能力を向上させることではなく、仕組を

創りあげていくということです。


もうひとつは、経営品質を高めるためには

一定の時間が要するだけでなく、少なくと

も、経営者が経営品質を理解する必要があ

るということです。


というのは、会社を畑に例えれば、経営品

質は土で、事業は作物にあたります。


経験の浅い経営者は、作物ばかりに目が行

き、なかなか土には目が届きません。


そのような経営者は、成果を急ぐあまり、

知らずに痩せた土に作物の種を植えて失敗

してしまうことも少なくありません。


そこで、よい土とはどういうもので、土を

よくするにはどうすればよいかということ

を理解する必要がありますが、それは、一

朝一夕には習得できません。


もちろん、起業する時点ですべてを理解し

ておく必要はありませんが、まったく理解

していないと、現在では、すぐにライバル

に負けてしまいます。


これも繰り返しになりますが、現在は、も

のを売ったり造ったりすることは、誰でも

容易にできる時代であり、したがって事業

の勝敗は、何を売る(造る)かではなく、

どうやって商品を売る(製品を造る)かで

決まります。


したがって、経営品質をよく理解すること

がますます重要になっているということが

今回の記事の結論です。

 

 

 

 

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