先日、ライザップ社の財務分析について述
べましたが、同社の業績悪化に関する報道
について気になったことがあり、ここで述
べたいと思います。
(ご参考→ https://goo.gl/fHGsED )
分かりやすさを優先するために、正確さを
犠牲にして述べれば、「ライザップは他社
を買収することで事業を急拡大させたため
に業績が悪化した」という報道は、不正確
であるということです。
なぜなら、他社の買収で事業を急拡大させ
ることは、業績を向上させる理由と悪化さ
せる理由の両方に該当するからです。
もちろん、経営者の結果責任は免れられま
せんが、もし、他社の買収で事業を急拡大
することが問題なら、同社の業績が赤字か
どうかにかかわらず批判すべきでしょう。
しかし、同社は子会社化したジーンズメイ
トの業績を回復させているという実績があ
るだけでなく、専門経営者である松本晃氏
を役員に招き入れ、M&Aを停止して構造
改革に専念すべきという松本氏からの方針
転換の提言を瀬戸社長が受け入れているこ
となどから、瀬戸社長は、単に、無謀に事
業拡大を続けて業績を悪化させたとは考え
にくいと私は思います。
ちなみに、詳細は割愛しますが、2012
年時点での、瀬戸氏のインタビュー音声を
聴くと、同氏は思いつきで行動することな
く、深慮遠謀のもとに事業を進めているこ
とが分かります。
(ご参考→ https://goo.gl/T8TTiJ )
今回の記事の結論は、経営者の結果責任は
免れないものの、最近は、問題の先送りを
して業績を悪化させている会社が目立つ一
方で、ライザップの瀬戸社長は積極的な決
断をしていることは評価されるべきという
ことです。
同社の今後の業況は予断を許しませんが、
私は、瀬戸社長のような決断することから
逃げない姿勢は、成功につながる重要な要
素であり、同社の今後の業績回復には期待
できると考えています。
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