鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

意思決定できる人材

久留米大学教授の塚崎公義さんが、ポッド

キャスト番組( https://goo.gl/cvZTmf )

で、組織の意思決定に関するお話をしてお

られました。


「ある山奥の村に、高齢者5人だけが住ん

でいるとします。


そのため、その村では、山奥に住む高齢者

5人のために、道路や水道を維持し、冬は

道路の雪かきをするコストが必要になりま

す。


そこで、高齢者5人に対して、『年金を3

倍払いますから、山奥から降りて、街に移

り住んでください』と頼むべきだという考

え方をすることもできるでしょう。


ところが、これに対して、もし、高齢者か

ら、『生まれ育った場所を離れたくない』

と言われてしまえば、無理に引っ越しても

らうわけには行きません。


しかし、その場合には『雪かきはしないか

ら、冬の間の食料は秋の間に買いだめして

おいて下さい』といったお願いをしなくて

はならないかも知れません。


さらに、ほかの住民から、『高齢者が可哀

想だから、ちゃんと雪かきをすべきだ』と

いう意見も出るかもしれません。


ただし、その場合には、『雪かきのコスト

は、我々が喜んで支払いましょう』と言う

必要があります」


この塚原さんのお話からは、多くのことを

学ぶことができると思います。


そのひとつを挙げると、村の住民は、単に

自分の要望を言うだけですむかもしれませ

んが、村長さんは、住民の要望に応じて増

税(または借金)をするか、または、住民

の要望を受け入れずに増税を避けるかとい

うことを決断する(または住民に問う)必

要があります。


要望を口にすることは、課題解決のステッ

プの第1歩ではありますが、それだけでは

その要望は実現はせず、何らかの決断をし

なければ、解決に至りません。


その一方で、自分が決断をすることを避け

たいと考える方は意外と多いと思います。


決断することは、要望を口にすることと比

較して負担は大きく、自分の決断に反対す

る人がもし現れたら、その人との対立は避

けたいと考えたり、決断したことを実践し

てもし失敗したら、その責任を問われかね

ないと考えたりするからでしょう。


前述の例は、村の山奥に住む高齢者に関す

るコストについてどうするかというもので

したが、このようなことは、職場にもあて

はめることができると思います。


職場の課題に関して、単に要望を口にする

だけでなく、決断まで行う人がたくさんい

れば、自ずと解決策が提案・実践されるよ

うになり、より自律的に活動する組織にな

るでしょう。


したがって、経営者が優れた組織をつくる

ために必要なことは、決断できる人材を多

く育成することだと私は考えています。


塚崎さんのお話からは、ほかにも学ぶべき

点がたくさんあると思いますが、今回は、

前述のような点についてピックアップして

みました。

 

 

 

 

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