鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資は借りられるときに借りる

先日、経営コンサルタントの小山昇さんの

ポッドキャスト番組を聴きました。


(ご参考→ https://goo.gl/K5nUMz


この番組で、小山さんの顧問先の鶴見製紙

株式会社の里和永一さんが、銀行からの融

資についてお話しておられました。


すなわち、里和さんは、融資をたくさん受

けると、自己資本比率が低くなってしまう

ので、融資はあまり増やさないようにしよ

うと考えていた。


そのため、取引銀行の支店長から3億円の

融資セールスを受けたときに、それを断っ

た。


しかし、それを小山さんに報告したとこ

ろ、融資を受けられる機会を逃してはいけ

ないと助言を受けた。


そこで、銀行の支店長に会いに行き、いっ

たん断った3億円の融資を受けることにし

た。


その際、支店長からは、融資審査のときに

会社の自己資本比率は見ておらず、月商の

3か月分以上の手もと資金を持っているか

どうかを見ていると言われた、というもの

です。


正直なところ、このお話は、少し誇張して

いるとは感じますが、大筋では正しいと思

います。


現在は低金利時代であり、融資を多めに借

りても金利負担は大きくないし、それより

も、手もとに多めの資金を置いておくこと

によって、思い切った事業展開を決断でき

るようになります。


ただし、どんな会社でも、多めに融資を受

けることができるわけではありません。


少なくとも、赤字にならないことが条件で

す。


すなわち、会社の財務目標は、損益の黒字

(=利益を出す)と収支の黒字(=現金を

切らさない)の、2つがあるということで

す。


多くの会社の場合、短期的な財務目標であ

る収支の黒字にばかり目が行ってしまい、

長期的な財務目標である損益の黒字には目

が行かないので、思ったように融資を受け

ることができないでいます。


すなわち、小山さんがお話しておられるよ

うな事業展開をするには、(1)損益の黒

字→(2)収支の黒字→(3)積極的な事

業展開、という順序を踏まなければならな

いということです。


この順番を飛び越えて、積極的な事業展開

を目指すことはできないということが、今

回の記事の結論です。

 

 

 

 

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