鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

ガバナンスは会社の信頼を高める

先日、不正融資をした地方銀行で、その問

題に関して調査を行った第三者委員会が、

調査結果を公表しました。


(ご参考→ https://goo.gl/8pVJim


本旨からはそれるのですが、調査結果につ

いて、私は不自然さを感じました。


というのは、不正融資を主導したのは元専

執行役員であり、創業家出身の前会長は

不正融資について知りえた証拠はないとし

か述べていません。


これは、客観的な証拠がないことについて

は断定することを避けたからだと思います

が、かつて銀行職員だった私としては、経

営者が執行役員の行動について知らなかっ

たということは、まず、考えられないと思

います。


それは、支店長などが不正を黙認していた

ことが報告書に記載されており、それを経

営者が知らなかったとすることは無理があ

ります。


これは私の想像ですが、元専務執行役員

前会長の意向を忖度し、支店に対して過大

な融資目標を押し付けていたことが実態で

しょう。


話を戻して、今回の記事の本旨は、ガバナ

ンスが軽んじられている結果が、今回の不

祥事につながったということです。


これは当たり前すぎることなのですが、そ

の一方で、ガバナンスを尊重しない会社は

なかなかなくなりません。


そして、日本では、ガバナンスは建前と考

えている経営者が多いと思います。


これは、早稲田大学法学部の元部長の上村

達男さんの言葉ですが、ガバナンスについ

て、「自分を取り巻くガバナンスの仕組み

が厳格であればあるほど、その人たちに信

任されているということの重みは大きい」

とお話されておられます。


すなわち、「厳しいガバナンスのもとで運

営される会社の事業は信頼性が高い」とい

うことです。


でも、これを建前と考える経営者は、自分

に慢心していると私は考えます。


前述の銀行がその例で、創業家出身の経営

者はガバナンスを軽んじたことから裸の王

さまになり、それが銀行業界に大きな波紋

を投じる結果を引き起こしました。


しかし、人間に限界があると考える経営者

は、あえて耳の痛いことを言ってくれる人

を自分のそばに置きます。


感情的にはつらいこともありますが、しか

し、人間は自らを完全に管理することがで

きないことが分かっていれば、その必要性

は高いと認識できます。


最近は、前述の銀行だけでなく、経営者が

裸の王さまになり、そのことが原因となっ

て、会社の存続を脅かすような事件が続い

て起きています。


そのような結末になることを防ぐために、

ガバナンスの大切さをすべての経営者の方

に認識して欲しいということが、今回の記

事の結論です。

 

 

 

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