鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

いざというときにわかる経営者の姿勢

東日本大震災のあと、コンビニエンススト

アが業績を伸ばしました。


それは、震災のひどかった地域の店舗は、

一時的に休業したものの、1か月以内には

多くの店舗が営業を再開したからです。


再開には、もちろん、店舗の復旧が前提で

すが、それだけでなく、物流機能がいち早

く復旧したという側面もあります。


これは、コンビニエンスストアと同じく、

物流機能が大きな役割を担っているスー

パーマーケットや外食チェーン店と比較し

て、復旧の早さが際立ちました。


このことにより、被災地で生活物資を買い

求める多くの人に支持されたほか、従来は

あまりコンビニエンスストアを利用してい

なかった高齢者も利用するようになり、売

上を伸ばして行ったようです。


災害は来ないことに越したことはありませ

んが、だからといって、災害に備える対応

を軽視すべきではありません。


だからこそ、前述のコンビニエンスストア

の災害への備えは、震災が起きた後の大き

な評価へとつながったのでしょう。


そして、このようなコンビニエンスストア

の姿勢は、先日の、北海道胆振東部地震

も見ることができました。


北海道が地盤のコンビニエンスストアは、

多くの他社の店舗が停電で営業できないに

もかかわらず、会社側が従業員の自動車か

ら電源をとることができるようにするため

の、非常電源キットを配布していたことか

ら、営業をただちに再開し、多くの利用者

に賞賛されたそうです。


今回の地震はまったく起きないとは断言で

きないまでも、いつ起きるかわからない地

震を見越して、停電への備えをしていたコ

ンビニエンスストア本部の対応は、同社を

支持する顧客を増やしました。


そして、このことはすばらしいと理解する

人はたくさんいても、実際に実践する人は

少ないと思います。


というのは、毎日、目の前の仕事に追われ

ていると、経営者の方も緊急性の高いもの

ばかりに目がうばわれがちで、重要とは分

かっていても緊急でないものはずっと後回

しにされてしまうからです。


でも、顧客の会社への評価は、重要なこと

を重視するという経営者の姿勢であるとい

うことは、前述の通りです。


多くの会社経営者の方は、顧客から自社を

評価して欲しいと考えておられると思いま

すが、そうであれば、より経営者らしい活

動に軸足を移すことをお薦めします。


前述のコンビニエンスストアのような、い

ざという時の備えをすることはなかなか難

しいかもしれませんが、かといって、目の

前の忙しさに右往左往することなく、長期

的な視点でどういう活動をすべきかという

方針を打ち出す役割に比重を置き、「重要

性が緊急性に駆逐される」ことのないよう

に心がけている経営者の経営する会社は、

必ず顧客の評価が高まっていくと私は考え

ています。

 

 

 

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