現在配信中の私が制作しているポッドキャ
スト番組にゲスト出演いただいている税理
士の金成祐行先生から、その番組の中で、
「時間は夢を裏切らない」という言葉をお
伺いしました。
これは、もともと漫画家の松本零士さんが
お話しされた言葉だそうです。
そして、金成先生は、この言葉を人材育成
にあてはめ、人材育成は時間をかけて行う
ことにしているそうです。
もう少し詳しく説明すると、十分な時間を
かければ、必ず立派な人材を育成すること
ができる。
そして、経営者の方は、立派な人材が育成
できることを信じ、時間がかかることを甘
んじて受け入れ、人材を育成しなければな
らないということだそうです。
実は、私は、この「時間は夢を裏切らな
い」に似た言葉を、別の機会にきいたこと
があります。
それは、大相撲の力士の栃ノ心関が、夏場
師匠である春日野親方が口にした「稽古は
うそをつかない」という言葉です。
らスピード出世をして、平成22年には小
結まで昇進したものの、その後、けがをし
て、幕下まで陥落してしまったそうです。
その時、栃ノ心関は引退も考えたそうです
が、親方に励まされて、現役を続けたよう
です。
そして、栃ノ心関は人一倍の稽古を続け、
再び幕下から大関にまで昇進したわけです
が、そこには「稽古はうそをつかない」と
親方に言わしめるくらいの栃ノ心関の相当
の努力があったのでしょう。
と、ここまで書いてきたことは、すぐには
実を結ばなくても、ひたむきに努力するこ
とは大切だということなのですが、今回の
記事の結論は、これではありません。
実は、私は、事業改善のお手伝いをしてい
る会社に対して、長期的な視点から、人材
育成に着手しましょうということを提案す
ることは、あまりありません。
なぜなら、事業改善が必要な顧問先は、な
るべく短期間で改善の結果を出す必要があ
るので、長期的な施策の優先順位はあまり
高くないからです。
しかし、徐々に改善の結果が現れてくる
と、それにつれて難易度の高い施策を実践
する機会が増えてきます。
そこで、そのひとつとして、ようやく人材
育成を提案することになります。
そして、冒頭では、人材育成は時間がかか
ると述べましたが、単に、時間がかかると
いうだけでなく、難易度も高い施策でもあ
ります。
なぜなら、管理期間も長い上に、いま実践
していることが本当に成果に結びつくかど
うかもわかりにくいからです。
でも、それが奏功すれば、他社との競合上
優位に立つことができます。
そこで、私が述べたいことは、難易度が高
いからこそ、実施する価値も大きいという
ことです。
これは、別の述べ方をすれば、短期間に効
果のある施策は、難易度も低く、それらを
実践するだけでは、どんぐりの背比べの状
態から抜け出すことはできないということ
です。
そこで、人材育成は時間のかかる施策だか
ら、実践は避けるべき、と考えるのではな
く、時間のかかる施策であるので、他社で
は後回しにされがちだからこそ、ライバル
と差をつけるために、自社では先んじて実
践すべき施策ととらえるべきだと私は思っ
ています。
また、詳細な説明は割愛しますが、自社で
人材育成ができれば、会社の課題の50%
は解決できたも同然と言えるくらい、比重
の大きな課題であり、後の課題はどんどん
容易に解決できると私は考えています。
今回の記事の結論は、会社の事業で解決し
なければならない課題として、早晩、人材
育成は避けることができないものであり、
創業当初はなかなか着手できなくても、い
ずれ着手すべきものとして織り込んでおく
ことをお薦めするということです。
そして、なるべく早く取り組めば、それだ
け効果も大きい、すなわち、「時間は夢を
裏切らない」ことになると思います。
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