鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

朝礼の目的

ビジネスコーチの岡本文宏さんのご著書、

「店長の一流、二流、三流」

( https://amzn.to/2sLpvKu )を拝読しま

した。


この本は、小売店の店長の役割を、人材マ

ネジメントの観点から的確に解説している

本ですが、その中から、私が特に注目した

内容を2つご紹介したいと思います。


ひとつめは、朝礼の目的です。


岡本さんによれば、三流の店長は朝礼をせ

ず、二流の店長は朝礼で情報を共有化し、

一流の店長はスタッフを主役にする目的で

朝礼を行うそうです。


朝は準備が忙しいことから、三流の店長の

ように、朝礼を開くことに否定的な人は少

なくないようです。


また、二流の店長のように、朝礼は必要と

考える人の場合であっても、店長から一方

的に情報を伝達することに終始してしまい

がちです。


しかし、一流の店長は、前日のスタッフの

動きのよかったところや、顧客から評価さ

れたところを朝礼で伝え、スタッフの承認

欲求を満たすことで士気を高めるようにし

ていると、岡本さんは述べておられます。


私は、朝礼や会議などに否定的な考えを

持っている人に会うことがありますが、確

かに、単なる伝達会議や、経営者が一方的

に話をして終わるような朝礼や会議は無駄

だと思います。


一方で、一流の店長のように、スタッフの

士気を向上させるために朝礼を行うことは

有用でしょう。


私は、朝礼や会議など、形式にはこだわ

りませんが、社内におけるコミュニケー

ションは大切だと思っています。


ただ、そのコミュニケーションを、単な

る伝達や情報共有と考えてしまうと、あ

えて朝礼や会議を開くまでもないと考え

てしまうようになるのでしょう。


でも、スタッフの士気を高めるには、店

長とスタッフが直接顔をつきあわせて接

する必要があるでしょう。


そう考えれば、朝礼や会議の必要性は高

いと感じられるようになるでしょう。


ですから、朝礼や会議に否定的な方は、

コミュニケーションを情報伝達としか考

えることなく、スタッフの育成のための

手段であると考えれば、朝礼や会議は大

切な機会ととらえられるようになるので

はないでしょうか?


もうひとつはPOP広告についてです。


岡本さんによれば、三流の店長はPOP

広告を使わず、二流の店長はPOP広告

を販促ツールとしてフル活用し、一流の

店長は、さらに、スタッフのスキルとや

る気を高めるツールとして活用するそう

です。


具体的には、一流の店長は、参考となる

フレーズや、反応のよかったPOP広告

の事例を集めてPOP広告の作成マニュ

アルを整備し、スタッフにPOP広告の

作り方を学んでもらいます。


そして、必ずしもすべて成功するとは限

りませんが、効果のあったPOPがある

と、作成したスタッフの士気が高まり、

さらにスキルが向上することが期待でき

ます。


私は、この事例を読んだとき、小集団活

動を思い出しました。


小集団活動は、仕事の品質を高めること

が表面的な目的ですが、従業員が自分で

改善策を考え、それを実践してみて改善

の効果を直接感じることによって、仕事

へのモチベーションが高まるという、大

きな副次的な効果も期待できます。


岡本さんのお薦めするような、POP広

告の作成によってスタッフのスキルやモ

チベーションを高めるという、一石二鳥

をねらう手法は、この小集団活動と同様

な効果があると思います。


今回の記事の結論は、店長は組織のマネ

ジメントに注力し、さらに、マネジメン

トによってスタッフの育成を行うこと

が、効率的かつ効果的であるということ

です。


マネジメントは大切だと考える方は多い

と思いますが、さらに、一歩踏み込んで

人材育成まで実践するという岡本さんの

お薦めの手法は、ライバルと大きく差を

つけるポイントになると思いました。

 

 

 

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