先日、私が制作しているポッドキャストに
ゲスト出演していただいた、税理士の金成
祐行先生から、「顧問先には、営業よりも
会計を1番に考えるように伝えている」と
いうお話を聞きました。
(ご参考→ https://goo.gl/q1vsk7 )
実は、私は、会計を専門分野のひとつにし
ておきながら、金成先生のおっしゃったよ
うなことは、なかなか口にすることはして
きてきませんでした。
なぜなら、会計は、事業の成果を「お金の
論理」で映すもので、それだけで事業のす
べてを判断してはいけないと思っていたか
らです。
もう少しありていに言えば、会社を評価す
るときは、数字や金銭などの定量的な情報
に偏ってはいけないと考えていたので、ご
相談を受けた経営者の方には、「会計を1
番に考えるように」とは言うことは避けて
きたということです。
一方で、金成先生はなぜ「営業よりも会計
を1番に考えるようにしなさい」と言って
いるかというと、日本の会社では、昔から
会計は軽んじられる傾向にあり、経営者が
会計を最優先に考えるようにするというく
らいがちょうどいいということだからだそ
うです。
この金成先生の考え方も妙になるほどと
思ったのですが、後から考えてみれば、日
本では、経営者は会計をもっと重視した方
がよいと私も感じました。
経営者の方の役割は、それだけがすべてで
はないものの、管理業務が大きな部分を占
めているということは誰もがご理解される
と思います。
その管理業務は、購買管理、生産管理、販
売管理、労務管理、財務管理などがありま
す。
そして、これらのすべての管理には、「数
字」が使われます。
もちろん、数字だけがすべてではありませ
んが、やはり重要な部分を占めます。
ここで、もし、数字に向き合っていない会
社経営者がいるとすれば、果たして、財務
管理は後回しにはしているけれど、生産管
理、販売管理は優先しているというように
は言えないのではないでしょうか?
これを言い換えれば、中小企業では、「数
字に向き合う=管理業務を行う」というこ
とになっていると思います。
金成先生は「会計を1番」とお話ししてお
られますが、財務管理を通して、営業の状
況、生産の状況なども管理することは前提
になっておられると思います。
会計を通しての管理は、もちろん、財務管
理が中心になると思いますが、それでも事
業の多くの部分を管理の対象とすることに
なるでしょう。
そして、財務管理だけではものたりないと
限界を感じるような水準になったときは、
さらに、生産管理、営業管理にもっと直接
的にアプローチすればよいと思います。
今回の結論は、経営者は数字に向き合うこ
とは避けられず、数字に頼らない高度な管
理を目指しているとしても、まず、数字で
の管理方法を習得しなければならないとい
うことです。
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