さんのメールマガジンを読みました。
「大事なことを大事にする。
このことは案外、わかっているようで、わ
かっていない人がほとんではないでしょう
か。
たとえば、お客さまは大事です。
ところが、お客さまの都合は二の次にし
て、ほとんどの会社が社内の都合を優先し
て経営しているように思います。
大切なことは、どこまでも、大事なことを
大事にする。
この姿勢が人生も会社もよくします」
このメールマガジンを読んだとき、この内
容に直接関係はないのですが、「お客さま
第一主義」について思い出しました。
これは、私個人の見解なのですが、文字通
りの「お客さま第一主義」の実践は不可能
だと思っています。
極端な例では、マクドナルドが100円の
ハンバーガーを配達して欲しいと依頼され
たときに、お客さま第一だからといって、
それに応じてばかりいては、同社の事業は
立ち行かなくなり、長期的には顧客にもメ
リットはありません。
(マクドナルドのデリバリーサービスは、
実際には、限定された地域で、1,500
円以上の注文を条件にしており、かつ、
300円の配達料が必要です)
ただ、多くの会社で掲げている「お客さま
第一主義」とは、顧客満足を事業の最優先
課題にするということだと思います。
しかしながら、「お客さま第一主義」を
「顧客満足度の実現」に置き換えても、ま
だまだ曖昧だと思います。
単に、イメージをよくするためだけに、
「お客さま第一主義」を深く考えずに掲げ
ている会社であれば別ですが、真に顧客満
足度を高めようと考えているのであれば、
それをどうやって実現するのかが社内で周
知されていなければ、その経営者の思いは
かけ声倒れになってしまいます。
これも極端な例と言われるかもしれません
が、リッツカールトンホテルでは、真の顧
客満足を追及していると思います。
(ご参考→ https://goo.gl/T8PV8A )
このホテルでは、従業員に2,000ドル
まで支出をする権限を与えられており、そ
の権限で高い顧客満足を実現しています。
でも、単に、権限を与えるだけでは顧客満
足度が高まっているわけではありません。
「2,000ドルの権限を与えているの
は、幹部が従業員を信頼しているからだと
いうことを常に伝え続けていなければ、権
限を与えられた従業員は『本当に顧客のた
めに2,000ドルも使ってよいのか』と
躊躇して、実際にその権限を使わなくな
る」ということを、リッツカールトンの元
日本支社長だった高野登さんがお話しして
おられました。
このように、会社の方針というのは、単に
スローガンを掲げるだけではあまり効果が
得られないということが、今回の記事の結
論です。
もし、かけ声だけしかかけていない会社経
営者がいるとすれば、それは、冒頭の鍵山
さんの言葉にある通り、「大事なことを大
事にするということは、案外、わかってい
るようで、わかっていない」ということに
なってしまうでしょう。
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