鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営が不要な会社と必要な会社

これまで何度か書いてきましたが、よく、

私がどういった仕事をしているのか、経営

コンサルタントと名乗っているが何をコン

サルティングするのかという質問を受けま

す。


このような質問がされる大きな要因は、事

業に携わっていながら、実際には、ほとん

ど「経営」をしていない会社もたくさんあ

るからだと思っています。


とはいえ、「自分は会社経営者で、きちん

と会社を経営している」と考えている方も

多いでしょう。


この「経営」という言葉はやっかいで、多

くの方が言葉は知ってはいるものの、「で

は、『経営』とはなんですか」ときくと、

なかなか答えることが難しい言葉です。


だからといって、私が勝手に言葉の定義を

決めることはできませんが、いままで事業

改善のお手伝いに携わってきた中で私が考

える「経営」とは、例えば、ロバート・キ

ヨサキさんが説明するものです。


「事業を始めようとしている人に対して、

マクドナルドのハンバーガーよりおいしい

ハンバーガーを作れるかという質問をする

と、ほとんどの人が作れると回答する。


続いて、マクドナルドより優れたビジネス

を作れるかという質問をすると、質問の意

図を分かる人と分からない人に分かれる」


(ご参考→ https://goo.gl/WgMa1F


すなわち、自社の事業について、製品を造

ることが仕事と考えている人は、事業に携

わってはいますが、「経営」をしてはいま

せん。


一方、自社の事業について、製品を造る仕

組みを作ろうとしている人は、「経営」に

携わっていると私は考えます。


「仕組み作り」→「経営」→「組織運営」

と考えれば、私の最新刊「図解でわかる経

営の基本いちばん最初に読む本」

( http://amzn.to/2lu3fU4 )では、7つの

章のうち、4つの章を割いて組織について

解説しています。


このように、経営について説明しようとす

ると、当然のことながら組織運営が大きな

部分を占めます。


しかし、組織の規模が小さいと、どうやっ

て組織運営を上手に行うかというよりも、

どうすれば売上高が増えるか、どうすれば

競争力の高い製品を開発できるようになる

か、という課題の方が重要になります。


なぜなら、組織の人数が少ないと、いわゆ

る阿吽の呼吸や、人間的なつながりによっ

て、組織を上手に運営することができるの

で、組織運営上の課題が表面化しないから

です。


とはいえ、そのような規模の小さい組織で

あることが、必ずしも問題があるとは限り

ません。


事業によっては、大規模な組織が向いてい

る場合もあるし、小規模な組織が向いてい

る場合もあります。


ただ、多くの事業は、最初は少人数で始め

たものの、徐々に事業が拡大し、大規模な

事業となり、組織運営上の多くの課題が表

面化してきます。


この、組織運営上の課題は避けることはで

きませんが、早い段階から体制を整えてお

くことで、解決のための負担を小さくする

ことができます。


しかしながら、多くの会社では、現時点で

表面化しない課題には関心が薄く、課題が

起きてからでないと対処しようとはしませ

ん。


そこで、もし、自社の事業を大きくしよう

と考えている方には、将来起こるであろう

組織運営上の課題に、早い段階から対処す

ることをお薦めします。


そして、それはまさに「経営」であり、経

営者の本来の役割でもあります。

  

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

f:id:rokkakuakio:20180412213847j:plain