鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

融資取引の前に預金取引を

これは意外なのですが、いままで、融資の

ご相談を受ける中で、面識のある銀行職員

の人がいないという経営者の方が、半分ま

でとはいかないですが、高い割合を占めて

います。


その理由としては、創業融資を日本政策金

融公庫で受けており、ある年数は、銀行と

は、公庫の融資返済用口座だけを持ってい

るだけですむということがあります。


また、創業しようとする比較的若い経営者

の方は、銀行口座もお持ちでないという方

も珍しくありません。


これも、ある意味の「銀行離れ」なのかと

思います。


それはそうと、現実的には、事業を始める

には、銀行との融資取引を始めることにな

るわけですから、銀行とは親密になること

の方が得策です。


これも当然なのですが、銀行に融資を申し

込むということは、銀行に対して自社を信

用して欲しいということを伝えるわけです

から、自社やその経営者の人となりが銀行

に分かるようにしなければなりません。


ここに、銀行と融資を受ける人の認識の差

があると思いますが、融資を受けようとす

る側は、融資を申し込む時点だけ、きちん

と対応すればよいと考える方が多いようで

す。


でも、銀行は、初めて融資取引をするとき

は、少なくとも、数か年の融資期間、一般

的には、これから半永久的に取引が続くこ

とになるであろうという前提で、個別の融

資を検討しています。


これは、別の言い方をすれば、最初の融資

取引の後は、2度目からは比較的に融資を

受けやすくなるということでもあります。


本題に戻りますが、もし、将来、起業して

銀行からの融資を受けたいと考えた段階か

ら、どの銀行から融資を受けたいか検討す

べきと思います。


私が薦めるのは、一般論ですが、融資に積

極的な地域金融機関、すなわち地方銀行

信用金庫(以下、単に「銀行」と記しま

す)です。


ただ、銀行が融資に積極的かどうかという

ことを見分けることは難しいと思います

が、ひとつの目安として、ホームページで

その銀行の資産が1兆円以上あるかどうか

ということを確認するとよいでしょう。


資産の量が多いというのは、融資額も多い

ので、融資に詳しい人材も多いと考えられ

るからです。


次に、取引する銀行を決めたら、起業が具

体的なる段階に至っていなくても、口座を

開設します。


その口座では、金額を多く積まなくても、

公共料金や保険料などの口座振替などを利

用して、銀行から見て「実態のある」取引

相手であると認識できるようにしておくと

よいでしょう。


口座がない相手と融資取引をする場合は、

銀行は取引の判断を慎重に行いますが、口

座がある相手であっても、お金の動きのな

い相手とは、銀行は取引の判断を慎重に行

います。


でも、公共料金などの支払いがあれば、そ

の相手は実態がある相手であり、その銀行

にとっての得意先と見るので、そのような

方が融資取引をしたいと申し出を受けたと

きは、ある程度は銀行が安心できます。


できれば、その銀行に定期的な積み立て型

の預金をしておくと、預金取引の量が多く

なるというだけでなく、きちんと積み立て

が行われることで、融資返済もきちんとし

てくれる相手であろうという判断をされま

す。


このようなことは、ちょっとしたことです

が、何年か前から準備するだけでも、融資

を受けるときに負担が減ります。

 

 

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