鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

社長の仕事と専務の仕事

今回は、静岡県にある、プリンターなどの

精密機械を製造している、上場会社のス

ター精密の元相談役の佐藤誠一さんの著書

「野望と先見の社長学」

( http://amzn.to/2DCB7X2 )に書かれてい

た、社長の仕事と専務の仕事について共感

できるところが多かったので、ご紹介した

いと思います。


佐藤さんによれば、社長は、会社がどの方

向に向かっていくべきかということ、すな

わち会社の目標を決めなければならない

が、それだけでは十分ではない。


会社の目標を掲げるだけであれば、ちょう

ちんをあげるだけのお祭りに終わってしま

う。


また、社長が掲げた目標が、単なる社長の

願望に過ぎず、実現可能性を十分に検討し

ないまま、その目標に向かって行動をする

と、資金不足を招いたりして失敗してしま

う。


そこで、目標を達成するための具体的な計

画を立て、そして、その計画通りに事業が

進むよう管理する役割も必要になる。


その役割を担う人が専務である。


すなわち、会社がきちんと目標に向かって

行くには、適切な目標を定める社長と、そ

こに向かって着実に計画立案と業務執行を

する専務がいることが必要になる。


しかし、中小企業では、きちんと計画立案

と業務執行をする専務の役割を担う人材は

いない。


そこで、社長が、社長と専務の一人二役

担う必要がある。


そうすることで、今度は、会社の中に、将

来、専務の役割を担ってくれる人材が育っ

てくる、というものです。


このことは、私がこれまで何度か述べてき

た、会社はPDCAサイクルをきちんと回

すことが大切ということを、別の言い方で

述べていると考えています。


すなわち、Plan(計画)→Do(実

行)→Check(検証)→Action

(改善)のうち、計画と実行までは、どの

会社でも行われているものの(中には計画

自体もできていない会社もありますが)、

検証と改善をきちんと行う会社は少なく、

そうでない会社はなかなか目標までたどり

つかないということです。


この検証と改善を実践する役割こそ、佐藤

さんのいう専務の役割でしょう。


私は、「PDCAこそ経営」と考えていま

すが、佐藤さんは、「会社には、社長と専

務の役割が必要」とおっしゃられており、

その社長も専務も経営者ですので、佐藤さ

んも私と同様にPDCAは経営者の行うこ

とと考えておられるということでしょう。


では、現在、目標になかなかたどりつけな

いでいる中小企業の経営者の方は、具体的

にどうすればよいのでしょうか?


佐藤さんは、前述のとおり、まず、社長が

専務も兼務すべきと述べておられます。


そして、経営者が「そんな器用なことはで

きない」と考えることは逃げ口上だと断言

しておられます。


ここまでは佐藤さんは書いていませんが、

私は、社長が専務の役割を担うことができ

なければ、名前だけの社長のままであり、

中身のともなった本物の社長にはなること

ができないと思っています。


ある意味、「自分は会社を大企業にする」

と宣言するだけであれば、誰にでもできる

ことです。


佐藤さんのいう、専務の役割を担うことが

できる、すなわち、自分の目標を実現する

能力がなければ、本物の社長になることは

できないでしょう。

 

 

※この記事はメールマガジンでも配信して

います。ぜひ、ご登録ください。→

http://yuushi-zaimu.net/conference/

 

 

f:id:rokkakuakio:20180313111536j:plain