鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

リスクとリターン

先日、久留米大学教授の塚崎公義さんが、

ポッドキャストで、リスクとリターンにつ

いてお話されておられました。


(ご参考→ https://goo.gl/m7vRwv


内容は真新しいことではなく、リスクとリ

ターンは正の相関関係にある、すなわち、

リスクが高ければそれだけリターンも期待

でき、逆にリスクが低ければリターンもそ

れに応じてあまり期待できないということ

です。


しかしながら、塚崎先生は、その論理は知

られていながら、もうけ話にのせられて騙

されてしまう人がいるということをお話し

されておられました。


すなわち、人は、楽してもうけたいという

思惑によって、冷静な判断ができないとき

があるということが、塚崎先生のお話の趣

旨のようです。


ところで、リスクというと、私は事業運営

こそ、まさにリスクと向き合うことだと考

えています。


なぜ、事業によって利益が得られるのかと

いうと、事業はリスクを負うことだからで

す。


最も分かりやすい例は、銀行の行う融資で

す。


銀行は、融資先に融資をすることで、その

融資金が返ってこなくなるかもしれないと

いうリスクを負います。


しかし、融資先の状況、融資の目的、融資

先の事業環境などをよく検討した上で融資

を行ったり、融資開始後も融資先の状況を

観察したりして、そのリスクが顕在化、す

なわち貸倒が発生しないように工夫をしま

す。


そして、そのリスクを顕在化させない工夫

の巧緻こそ、獲得する利益の多寡に直結す

ると言えるでしょう。


一般の事業の例では、衣服小売業も、仕入

れた商品が売れ残るというリスクと向き

合っています。


ファーストリテーリング(ユニクロ)のよ

うなSPA(Speciality Store Retailer

of Private Label Apparel , 製造小売)

事業では、リードタイムを短くしたり、需

要予測を精緻化し、そのリスクを抑えるこ

とで利益を大きくしています。


また、そのノウハウを活用し、他社が追随

できないような品ぞろえや価格設定をする

など、競争力を高めることもできます。


とはいえ、ここまで書いたことはよく知ら

れていることなのですが、リスクに向き合

うことが利益を増加させるという観点で、

事業に臨んでいる経営者の方は少ないと思

い、記事にしました。


利益を得ようと考えた場合、自社はリスク

をどれくらいコントロールできるのかとい

うことを検討することで、収益の機会を見

つけることができるのではないかと思いま

す。

 

 

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