鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

読書の薦め

今回の記事の結論は、読書はよいことです

という一言で終わりなのですが、なぜ、よ

いことなのかということについて述べたい

と思います。


約1年半前のことですが、私が制作してい

ポッドキャスト番組に、東京都江戸川区

で不動産会社を経営している馬込さんに出

演していただきました。


(ご参考→ https://goo.gl/mvDE92


馬込さんは、1年間に350冊の本を読む

読書家で、本を読むことの効果についてお

話しいただきました。


これは、ここであえて述べなくてもご理解

いただけることとは思いますが、いまは、

たくさんの本が出版されているおかげで、

自分が分からない分野についても、本を読

めば、相当詳しくなることができます。


馬込さんは、ほぼ一人で事業を行っている

ので、受けられる仕事の幅はおのずと限ら

れてしまいますが、そのような中にあって

も、未知の分野の仕事を受けたときは、そ

の分野に関する本を読むことで、自信を

もって仕事を受けることができるように

なったそうです。


簡単に言えば、読書で仕事の幅が広がると

いうことなのですが、馬込さんのように、

それを実践している人はまだまだ少ないと

感じています。


とはいえ、「本を読めば、いろんな仕事が

できるようになるという理屈はわかるけれ

ど、そんな時間の余裕がない」という人も

多いと思います。


結局は、読書が大切だと分かっていても、

それだけでは何の意味もなく、実践するか

どうかということが問題だということで

す。


ところで、馬込さんから読書について話を

きいたときに、田中元総理大臣の秘書をし

ていた、早坂茂三さん(故人)が、早坂さ

んの本に書いていた、ある新聞記者のお話

を思い出しました。


そのお話とは、早坂さんの知人の若い新聞

記者が、長野県の奥深い山村にある農家

を、取材のために訪ねていったときのこと

です。


目的の農家に着いたところ、その農家のご

家族と思われる中年のご婦人が、パソコン

に向かって手際よく仕事をしていたそうで

す。


その様子に驚いた記者は、そのご婦人に、

「あなたは、どの大学をご卒業されたので

すか」と尋ねたそうです。


そうすると、そのご婦人は、パソコンのそ

ばに高く積み上げられたマニュアルを指し

て、「私は中学校しか卒業していないけれ

ど、このマニュアルをちゃんと読めば、誰

だってパソコンが使えるようになるよ」と

答えたそうです。


ちなみに、このお話は、早坂さんが、日本

人が学歴にこだわる傾向にあることを戒め

るために書いたお話しで、お話に登場する

記者が、パソコンを操作できる人は大学を

卒業している人だと思い込んでいることを

早坂さんは批判しています。


話を戻して、マニュアルを読むことと読書

は同じではありませんが、本当に学ぼうと

する意思が大切だということです。


そして、もうひとつ、読書に関するお話を

書きたいと思います。


私が、私の住んでいる地域を選挙区として

いる国会議員の方にお会いしたときに、そ

の方から聞いたお話です。


その方は、地方の中小企業経営者が労働法

規について違反する事例が起きていること

について、「経営者の方は悪意がないのだ

けれど、法律を知らないから、気づかない

うちに法律違反をしてしまっている」とお

話しておられました。


その議員の方の考えは理解できなくもない

のですが、事情はどうであれ、法律を違反

することは許されません。


私は、規模の大小は問わず、会社のトップ

であれば、きちんと必要な法令に関する知

識を持ったうえで事業に臨まなければなり

ません。


もちろん、経営者の方がなんでもひとりで

行うことは現実的には困難であり、専門家

の方の助言を受けて事業にあたることが基

本です。


だからといって、専門家の方に任せきりに

することも望ましいとは言えません。


少なくとも、基本的な知識は身に着けて、

法令違反が起きないよう自ら主体的に臨む

必要はあるでしょう。


そのためにも、事業に必要な知識は、いま

は、それらを理解しやすく書かれた本がた

くさん売られている時代なので、少なくと

も、まず、本から知識を身に着けるという

ことはできるでしょう。


結局、これも、実践する意思があるかどう

かというところに行きつくお話です。


いまは、学びたくても学べないという時代

ではなく、学びたい人は学べる時代になっ

ており、そういう意味では経営者の方には

恵まれた時代です。


このような状況を活かさない経営者の方は

とてももったいないと思います。


最後に、馬込さんが、「本は、本が売れて

欲しいとの思いから、著者が全身全霊で書

いている。


しかも、その著者の知識を、著者に直接

会って聞こうとしたら、その対価とし

て、数万円を支払うことになる。


その知識を、ランチ1食分相当の、千円

ちょっとの金額を書籍代として払えば手に

入れることができる。


これはとても安い買い物だ」とお話しされ

ておられたことを、ご紹介したいと思いま

す。


私も、著者として、自分の知識を多くの方

に役立ててもらいたいという思いで本を書

いてきました。


もちろん、私以外の著者の方々も同じ思い

を持っていると思います。


したがって、多くの経営者の方々に、本を

手にとって活用していただければ、それは

その本の著者としての最高のよろこびとな

ります。


どうか、自社の事業をよりよくしていただ

くために、できるだけ多くの本を経営者の

方に読んでいただきたいと思います。

 

 

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