鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

家族>仕事で生きる

「家族>仕事で生きる」ときいたら、「家

族を仕事より優先させるなんて建前で、現

実には無理だよ」と思う方が圧倒的ではな

いでしょうか?


そういう自分も、「無理だ」と思うひとり

です。


実は、先日、「家族>仕事で生きる」とい

う本を読みました。


(ご参考→ http://amzn.to/2mUrQzl


著者の赤城夫婦(赤城良典・加奈乃夫妻)

は、結婚式で「きょうから私たち夫婦は働

きません」と宣言をしたそうです。


夫の良典さんは、小売業のチーフバイヤー

としてハードワーカーでしたし、加奈乃さ

んは父親から継いだ小売業の経営者でした

から、周りの方々は大いに驚かれたことで

しょう。


赤城夫婦は、実際は、結婚後に結婚生活研

究家として各地で講演やセミナーを開いて

おり、その後、赤城さんたちの助言に従っ

て家族の時間を大切にしたことによって、

働く時間を減らしたにも関わらず、収入が

倍になった人が現れたという例も紹介され

ています。


そもそも、赤城夫婦は、人を木に例えて、

根っこである家族が弱っていれば、枝葉で

ある仕事も繁らないという考え方をしてい

ます。


でも、一般的には、人は、仕事ができなけ

れば、評価もされないし、家族も幸せにさ

れないという二律背反に悩んでいます。


しかし、赤城夫婦は、仕事を手放すリスク

よりも、見逃したら二度と取り戻せないも

のを手放すことのリスクが大きいと考える

ようにしたそうです。


見逃したら二度と取り戻せないものとは、

子どもの成長に立ち会うことなどで、普段

仕事を優先している人が後ろめたさを感じ

ることがらです。


と、ここまで、赤城夫婦のご著書の概要を

ご紹介してきましたが、今回のこの記事の

主旨は、「手放すこと」が大切ということ

のひとつの例だと感じたことです。


赤城夫妻も、かつてはハードワーカーだっ

たわけですから、簡単に仕事を辞めるとい

う決断はできなかったと思います。


でも、家族優先で生きるという理想を実現

するために、いったん、仕事を手放しまし

た。


冒頭にも述べましたが、「家族を仕事より

優先させるなんて建前で、現実には無理だ

よ」という考え方の裏側には、「もし、本

当にそんなことができるとしたら、いま、

あまりうまく行っていない現状にしがみつ

いている自分が愚かな判断をしていること

になってしまうので、そんなうまい話しは

非現実的なものにしてしまいたい」という

心理が働いているのだと思います。


実は、コンサルタントとして、事業が芳し

くない会社の経営者の方に、改善のための

提案をしてもなかなか受け入れてもらえな

いときも、このような心理が働いているの

ではないかと思います。


すなわち、「もし、コンサルタントの提案

を受け入れて、事業が改善してしまったと

したら、いままで自分のしてきたことが否

定されてしまうことになる。


そうだったら、現状を変えない方が、自分

の面目が維持できる」というようなもので

す。


そういう自分も、すぐに赤城夫婦の提案す

るような生き方に転換できません。


もう少し修業が必要です。


でも、コンサルタントとして、経営者に、

決断することの大切さのお手本を示すこと

ができるようにならなければと、赤城夫婦

の本を読んで感じました。

 

 

f:id:rokkakuakio:20180121160539j:plain