遺伝子の研究者で、「スイッチ・オンの生
き方」( http://amzn.to/2FoJ9ke )などの
著者である村上和雄さんが、同書の中で、
次のように述べておられます。
すなわち「ノーベル賞をもらう天才と普通
の人とは、遺伝子レベルでみると99.5
%が同じ。
眠っている0.5%の遺伝子をどうやって
オンにするかが人に問われている。
遺伝子が目覚めれば、人生が変わる」とい
うものです。
ここには宗教的な考え方も含まれているよ
ですが、眠っている遺伝子のスイッチをオ
ンにするために、心を高める生き方をする
ことを村上さんは勧めておられます。
私は村上さんの考え方には感銘を受けたの
ですが、非論理的な部分があるので、この
話しをどう受け止めるかは、人それぞれだ
と思います。
ところで、この村上さんの考え方に接し
て、私は別のことを思い出しました。
というのは、私が銀行勤務時から、独立し
た後も、業績のよい会社の経営者と、業績
のよくない会社の経営者では、どういうと
ころが違うのかということをずっと考えて
きています。
とはいえ、これも明確に述べることは難し
いのですが、私の経験から、大きな違いは
ないということです。
中小企業の経営者の多くは、常に会社の業
績を伸ばすために苦心しているし、従業員
の方たちと一緒に汗を流しています。
よって、会社も人も多くの点が同じという
点で、村上さんの考え方と通じるところが
あると思っています。
では、業績のよい会社の経営者と、業績の
よくない会社の経営者の間のわずかな違い
は何かというと、自分で決断をしていると
いう点だと私は思います。
これは、他にもいろいろな言い回しができ
ると思いますが、中小企業にとって経営環
境が厳しい中にあって、それにどう向き合
うかということだと思います。
経営環境が厳しいから、何をしても無駄で
あり、政治家や官僚や銀行が助けてくれる
のを待つしかないと考えることもできる
し、経営環境が厳しいからこそライバルを
出し抜くよい機会であり、積極的に難しい
ことに挑戦しようと考えることもできま
す。
これだけだと、気の持ちようといわれるか
もしれませんが、別の見方をすれば、決断
する人がいない会社は、経営者が不在とも
言えると思います。
ある意味、村上さんが言っている、「眠っ
ている0.5%の遺伝子」とは、会社に例
えれば、決断をしない経営者のことであ
り、その経営者にスイッチが入って決断を
するようになれば、業績がよくなるのでは
ないかと私は考えています。