鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

座禅は目的

群馬県禅宗の寺院の住職である長谷川俊

道さんが、ご自身の制作しているポッド

キャストで、「座禅は手段ではなく目的で

ある」という主旨をお話しされておられま

した。


(ご参考→ https://goo.gl/1ZjjXx


私は長谷川さんの教えを正確に理解できて

いないかもしれませんが、これは、「座禅

をすればご利益がある」とか、「座禅をし

たから悟りに近づいた」と考えることを戒

めているお話しであると考えています。


要は、何か他のことを期待して座禅をすれ

ば修行にはならないので、修行のためだけ

に座禅に臨みなさいということだと思いま

す。


このお話しをきいたとき、私がお手伝いし

ている何人かの会社経営者の方を思い出し

ました。


それは、「新しいシステムを導入したのに

売上が増えない」とか、「営業力を高める

ための研修を従業員に受けさせたのに、業

績が伸びない」ということを口にする方で

す。


そのことが目的である座禅とは異なり、シ

ステム導入や研修受講は事業の目的を達成

するための手段ですが、「座禅をすればご

利益がある」と安易に考えてしまう人のよ

うに、「従業員に研修を受講させれば業績

がのびる」というように安易に考えてしま

う点では、両者は考え方が似ているのでは

ないかと感じました。


私自身もそうですが、自分の考える通りに

ものごとがなかなか進まないという状況の

中にいると、「こういう努力をしているの

におかしい」と感じるということは多いで

しょう。


そこで、「自分はこういう努力をしている

のだから、結果がともなってほしい」と思

いたくなることは十分に理解できます。


その面では、私自身も毎日やきもきしてい

るのですが、そのようなとき稲盛和夫さん

の言葉を思い出すようにしています。


すなわち、「世の中には因果応報の法則が

あり、よい行いをすればよい結果があり、

悪い行いをすれば悪い結果がある。


ただし、結果とそれを招いた原因との間に

は長い時間があくこともあるので、なぜ、

その結果が起きたのか気づきにくいことも

多い」ということです。


すなわち、よい結果を得るために日々努力

していても、結果がなかなか現れないこと

があるので、それが実を結ぶまで諦めない

ということが大切ということでしょう。


話しを戻して、会社経営者の方は、業績を

上げるために日々努力をしていますが、こ

のようなことをしているからこの結果が得

られるはずだと考えてしまうことなく、結

果が現れるまで根気よく努力を続けること

が求められるということが、今回の記事の

結論です。


一方で、「自分はこれだけの努力をしたの

だから、結果が現れないのは従業員の責任

だ」などというように、会社の最高責任者

であるにもかかわらず、業績がよくないこ

とを他に求めることは避けなければなりま

せん。

 

 

f:id:rokkakuakio:20171227074734j:plain