私がお手伝いをしている会社で、月例会議
を開いている会社には、Zチャートを作る
ことを提案することがあります。
Zチャートは、グラフがZの形を描くもの
で、具体的には次のような手順で作成しま
す。
まず、自社の過去12か月の月間売上高を
折れ線グラフにします。
これは、Zの文字の下の線にあたります。
つぎに、過去12か月の月間売上高の累積
売上高をグラフにします。
例えば、昨年の12月から今年の11月ま
での累積売上高をグラフにするときは、昨
年12月のところにはその月の売上高を、
今年1月のところには昨年12月の売上高
と今年1月の売上高の合計を、今年2月の
ところには、昨年12月から今年2月まで
の売上高の合計を記載していき、それを今
年11月のところまで繰り返し、それらを
線でつなぐとZの斜めの線になります。
最後に、過去12か月間の移動合計を記載
します。
移動合計とは、昨年12月のところは、昨
年の1月から昨年12月までの12か月間
の売上高、今年1月のところには、昨年の
2月から今年1月までの12か月間の売上
高を記載し、これを繰り返して、今年11
月のところには、昨年12月から今年11
月までの12か月間の売上高を記載しま
す。
それらを線でつなぐと、Zの上の線になり
ます。
以上が、Zチャートの作成の仕方で、前述
のように、月間売上高の推移、累積売上高
の推移、売上高の移動合計の推移を一覧で
きるようになります。
このことによって、単に、数値で売上高の
状況を見るだけよりも、視覚的に状況を把
握し、現状分析や改善策の考案がしやすく
なります。
また、グラフの数値は売上高だけでなく、
販売数、顧客数など、別の数値にも利用で
きます。
ただ、このZチャートは工夫されたグラフ
ではありますが、格段に優れているという
ものでもないと私は考えています。
最終的には、過去のデータをどう読み取る
かという読み手の分析能力が決め手となり
ます。
とはいえ、月例会議を開始して間もない会
社では、データの分析そのものがなかなか
うまく行かないときがあります。
そのような場合の工夫の仕方として、この
ようなZチャートを作り、徐々に、分析能
力を高めるきっかけとするには、よいグラ
フであると思います。
やがて、会議の参加者の人たちが、自社の
状況把握や改善策の考案のためには、この
Zチャートでは物足りないと感じるように
なれば、さらに高度な分析をするためのグ
ラフを独自に工夫して作成していくよう、
私は提案しています。
そして、従業員の方たちに対して、このよ
うな、分析能力を高めるための工夫をして
いくことも、経営者の重要な役割であると
私は考えています。