私は「経営コンサルタント」を名乗ってい
るので、経営者の行う経営に関してコンサ
ルティングをします。
ちなみに、言葉尻をとらえるようですが、
「事業」の改善は「経営」コンサルティン
グの対象ではなく、事業コンサルティング
の対象です。
すなわち、経営コンサルタントとしてのお
手伝いの対象はについて、マネジメントに
関することであり、オペレーションは原則
として対象外であるということです。
しかし、「経営コンサルタントは、会社が
困っていれば、対象を限定せずに助けるべ
きだろう」と考える人も多いのではないか
と思います。
では、実際にはそのような人はいないもの
の、仮に、どのようなことでも解決できる
経営コンサルタントがいたとしたらどうな
るでしょうか?
経営者の方は、その経営コンサルタントに
いろいろなことを依頼して課題を解決して
もらうことができます。
しかし、そのような会社では、いずれ、そ
の経営者は必要とされなくなるでしょう。
ここでは極端な例で示しましたが、経営コ
ンサルタントの本当の役割は、コンサルタ
ントが、直接、課題を解決し、経営者を不
要になってしまうようにすることではあり
ません。
経営者の行う経営をコンサルティングし、
その会社にとって経営者が増々必要とされ
る存在にしていくということが、経営コン
サルタントの本当の役割でしょう。
これを言い換えれば、経営コンサルタント
は、顧問先に対して、自分が不必要となる
ようにステップアップさせていくことが役
割であるということもできます。
ここで、経営者が不得手なことを外部の専
門家に解決を依頼することは、経営資源の
少ない中小企業ではやむを得ないのではな
いかと考える方もいると思います。
私は、仕事の一部をアウトソースすること
は問題ないと思っています。
しかし、それは、外注であって、コンサル
ティングを受けることとは異なります。
そして、会社はどうしても外注できない仕
事があります。
それは、経営者の仕事です。
話しを戻します。
今回の記事の結論は、経営コンサルタント
の役割は、顧問先の経営者の苦手なことを
その経営者に代わって解決することではな
く、その経営者の苦手なことを克服できる
ようにスキルアップのお手伝いをするとい
うことです。
そして、経営者の方は、自らのスキルアッ
プが常に求められています。
経営者のスキルアップなしには、会社も改
善しないということは多くの方が理解され
ておられるでしょう。
経営者が不得手なことを外注することはで
きますが、経営者の役割だけは外注するこ
とはできません。