鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

魚のいるところで釣りをする

事業計画を作るポイントとして、市場調査

(マーケットリサーチ)が挙げられます。


端的に言えば、魚のいないところに釣り糸

をたらすようなことのないようにする、す

なわち、需要のあるところに的確に応じる

ようにすることが目的で、これも至極当然

のことです。


ただ、これは、順番が逆ですが、経営者の

方がやりたいと考えている事業が先に決

まっていて、それが成功するという裏付け

をとるために実施するということもしばし

ば行われます。


本来なら、まず、どういったニーズがある

かということを先に調査して、それに合わ

せた適切な事業を選ぶという手順を踏むべ

きです。


ただし、中小企業の場合、事業を選択する

ほどの経営資源やノウハウがないこと、そ

して、経営者が実施したいという事業を行

うことが経営者にとってのモチベーション

にもなるので、展開する事業が先に決まっ

ているという例は多く見られます。


市場調査の結果、幸い、やりたい事業の需

要が見込めそうだというときは、そのまま

実行できるわけですが、需要が少ないと思

われる場合は、展開する地域を変更する、

顧客属性(顧客の好み、年代、職業、性別

など)を変えて新たな標的とする、当初の

事業を少し変えて別の商品を提供できるよ

うにするなどの対応を行います。


では具体的に、どのような調査を行うかと

いうと、私の場合、まず、地方自治体など

が行っている統計資料をあたります。


地方自治体の行っている統計資料は、いま

はホームページで容易に入手できます。


さらに、地方自治体の統計を担当する部署

に直接出向くと、もっと細かい資料を得る

ことができる場合があります。


この地方自治体の統計資料はかなり広範囲

な分野に渡って行われているものの、それ

でも、欲しい資料が見つからないこともあ

ります。


その場合、民間の調査会社から入手するこ

とになります。


一部には無料で入手できるものもあります

が、その多くは有料です。


とはいっても、必ずしも高額とは限りませ

んので、効果的に活用されるとよいと思い

ます。


(ご参考に、民間会社が提供している資料

の例として、株式会社パスコさまが提供し

ている商圏大勝というサービスをご紹介し

ます。→ http://www.cocohore11.com/


さらに、民間会社が提供する資料でも不足

するときは、実際に自分で調査を行いま

す。


具体的には、店舗の前の通行量、商圏のラ

イバルの店舗数・来店者数・キャパシティ

・営業時間などです。


もうひとつの方法として、テストマーケ

ティングがあります。


本格的に事業を始める前に試作品を販売し

て、どれくらいの反応があるかということ

を確かめたり、ホームページやメールマガ

ジンにどれくらいの反応があるかとうこと

を通して、本格的な需要があるかどうかを

探ります。


このような資料の収集は、労力はかかるも

のの、確実な情報をえることとなり、事業

を始めたあとの失敗を高い確率で防ぐこと

ができます。


また、融資を受ける際にも、銀行から信頼

性の高い資料として評価され、承認も得や

すくなります。


今回の結論は、経営者の方が実行したい事

業については、ある程度の準備期間を確保

して、しっかりとした調査を行うことが望

ましいということです。

 

 

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