事業計画を作成する理由は、従業員や銀行
に対して目標などを伝える役割のほか、事
業のシミュレーションの意味もあります。
シミュレーションをするのは、事業が黒字
になる見込みがあることを前もって確認す
ることが目的です。
したがって、単に、社長の構想を数値にす
るというだけでなく、その構想が黒字にな
ることを確かめる役割があるということで
す。
では、どのように確かめるのかというと、
その方法はいくつもあります。
今回は、その方法のうち、経営戦略からの
アプローチについて説明します。
経営戦略は、自社の強みをビジネスチャン
スに活かせるように策定しますが、まず、
そのために、環境分析を行います。
この環境分析は、顧客や市場などの外部環
境と、自社の特徴などの内部環境を分析し
ます。
詳細は省略しますが、外部環境の分析は、
PEST分析や5Force分析という方
法があります。
内部環境の分析は、価値連鎖分析やVRI
O分析という方法があります。
とめる方法がSWOT分析です。
これらの分析を行うことは労力が大きいの
で、小規模な会社には向いていません。
そこで、3C分析という方法が使われるこ
とがあります。
3C分析とは、顧客(Customer)
自社(Company)、競合(Comp
etitor)の3つCを分析の対象とす
る分析のことを意味しています。
そして、これらの3つのCの特徴を分析し
どのような経営戦略が自社の事業に適して
いるかということを検討します。
そして、自社が採るべき経営戦略が定まっ
てから、その経営戦略に基づいて、誰が、
何を、どこに、いつまでに、どれだけと
いった事業計画を作成していくことになり
ます。
今回の結論は、事業計画は、そもそも、ラ
イバルに勝てる事業でなければ作成する意
味がなく、そのためにしっかりとした環境
分析と経営戦略の策定が前提になるという
ことです。
繰り返しになりますが、経営者の構想を表
すだけでは足りず、それが奏功しなければ
事業を実践する意味はありません。
もちろん、経営者の方は事業が成功すると
いう前提で事業を始めるわけですが、環境
分析によってその裏付けを固めておくこと
が、説得力が高く、実効的な事業計画を作
成することにつながります。