ローコストオペレーションという言葉はよ
く聴きます。
ただ、どうやってローコストオペレーショ
ンを実現するかということについては、あ
まり理解されていないと感じています。
ローコストオペレーションの代表的な方法
は、大量仕入や海外生産でしょう。
ただ、それは基礎的な方法で、現在は、複
雑な方法がとられています。
たとえば、衣料品店のしまむらは、お手本
となるようなローコストオペレーションを
実践しています。
(ご参考→ https://goo.gl/kbS7Hx )
引用の記事によれば、「同社は現在、中国
からの直接物流の比率が20%前後だが、
これを25~30%ぐらいまで引き上げる
と同時に、これまで埼玉県桶川市など国内
に7か所あった物流センターを、神奈川県
流センターに集約した。
(中略)一般的に、中国からの直接物流の
導入によって物流コストは30%近く削減
できるといわれる」とあります。
すなわち、物流機能を人件費の安い中国に
移すことによって、コストを下げるという
ことです。
これは、一見、簡単なようで、実は容易で
はありません。
物流機能を中国に移すためには、それなり
のノウハウを伝えなければなりません。
また、商品の販売動向や在庫状況を、遠い
ところにすぐに伝えられるようなインフラ
も必要です。
ただ、この記事では、大手の会社のローコ
ストオペレーションの方法についてお伝え
することが本旨ではありません。
ローコストオペレーションを実現するには
物理的なインフラも必要ですが、無形のノ
ウハウも大切だということです。
例えば、しまむらのWebPageには、
次のような記載があります。
「しまむらはローコストオペレーションを
徹底し効率的な運営をしていますが、それ
を支えているのがマニュアルです。
日本では個人的な技術を重視する風潮に加
え、マニュアルに対する誤解と軽視が見ら
れます。
私たちしまむらでは最も優れたベテラン社
員のやり方をマニュアルと考え、新入社員
でも一定レベルの業務ができるようにする
ため、全ての部署でこれを重視し、標準化
と合理性を追求しています。
マニュアルをいつの時代も生きたものとす
るために欠かせない仕組みが改善提案制度
です。
業務の最適化を実現するには、マニュアル
をブラッシュアップし続けることが最も大
切です。
しまむらでは、全社員から毎年5万件以上
の改善提案が寄せられ、これを一つ一つ検
討・実験し、その結果は再び新しいマニュ
アルとして毎月更新され続けています」と
記載されています。
(ご参考→ https://goo.gl/pyGyN6 )
このような、毎月のマニュアルの修正を続
けるというノウハウの積み重ねがあってこ
そ、しまむらは効果の高いローコストオペ
レーションを実現しているということが分
かります。
そして、このマニュアルの整備、改善提案
制度の実施という手法は、規模の小さな会
社であっても実践できることです。
今回の記事の結論は、競争力を高める手法
というのは、ノウハウの蓄積といった体制
づくりが重要ということです。
とはいえ、この見えないノウハウを集める
という手法は、口で言うほど容易でないこ
とも私は実感しています。
でも、それができればライバルとの競争力
も差をつけられると私は考えています。