今回は、「マーケティング」について述べ
たいと思います。
「マーケティング」はよく使われている
ことばである一方で、何を指すのかという
ことについては漠然としているようです。
もともとの、英語のMarketは、「市場」、
または「市場で取引する」という意味です
から、Marketingとは、「市場で取引する
こと」という意味です。
ただし、ビジネスで使われるときは、
もう少し狭い意味で使われており、
「マーケティングとは、企業および他の
組織がグローバルな視野に立ち、顧客との
相互理解を得ながら、公正な競争を通じて
行う市場創造のための総合的活動である」
と定義しています。
この定義はやや抽象的ですので、噛み
砕いて述べれば、「マーケティングとは
売れるしくみをつくる活動」ということに
なります。
これについては、ドラッカーも「マーケ
ティングの目的は販売活動を不要にする
ことである( The aim of marketing is
to make selling superfluous . )」と、
同様のことを述べています。
マーケティングは、販売活動としばしば
混同されることがありますが、前述の
とおり、販売活動とは真逆の視点に立つ
ものであり、かつ、もっと広範囲に及ぶ
活動です。
そして、マーケティングの定義も、経済
活動の時代の変遷にともなって変化して
きています。
ここまで、マーケティングについて述べて
来ましたが、今回の記事の意図は、マーケ
ティングの本来の定義のように、「売れる
しくみをつくる」こと、さらには、ドラッ
カーの言うように、「販売活動を不要に
すること」は、実際にはあまり行われて
いないのではないかと、私は感じている
ということです。
むしろ、事業には、「マーケティング」と
称する「販売活動」が必須と考えている
方が多いのではないでしょうか?
もちろん、「売れるしくみ」を作ることは
一朝一夕でできる容易なものではありま
せんが、裏を返せば、販売活動で自社の
事業を維持することは、事業そのものは
あまり価値がないということにもなって
しまいかねません。
「では、具体的にどうすればよいのか」と
いう疑問を多くの方が持つと思いますが、
これに対する回答は文字数の兼ね合いで
割愛せざるを得ませんので、別の機会に
述べたいと思います。
ただ、「売れるしくみ」を作ることこそ、
経営資源の小さい中小企業にとって大きな
効果が得られる手法であると私は考えて
います。