鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

いつコンサルティングを受けるか

例え方が不適切なところをお許しいただき

たいのですが、私がサラリーマン時代は、

風邪をひいたときに、薬だけで治そうと

して、病院に行くことを避けようとして

いました。


結果として治らず、最終的に病院へ行く

ことになるのですが、そうであれば、

かかり始めのときに病院に行けば、早く

治ったということになります。


これと同様に、事業を改善したい、

または、銀行から融資を受けたいと

相談を受ける会社の大部分は、「もっと

早く相談に来てくれていれば…」と

感じる会社が多いと感じています。


これは、「少し業況が悪くなったけれど、

自力で頑張ればなんとかなる」と思う

経営者が多いということでしょう。


前述の、私が風邪をひいたときの場合と

同じことを、経営者の方も考えてしまう

のでしょう。


ただ、会社の事業は、風邪とは違い、

そう簡単に改善できるとは限りません。


早い段階でご相談があれば、いろいろな

改善策の選択の余地があるのですが、

悪化が進むと、ウルトラCの技のような

方法しか採れなくなってしまいます。


これは、裏を返せば、ウルトラCは失敗

する確率も高いということです。


業況が悪い会社であれば、なおさら

ウルトラCを成功させることは難しく

なります。


一方で、かつて、稲盛和夫さんから、次の

ようなお話しを聴いたことがあります。


すなわち、稲盛さんが開いている盛和塾

( 稲盛さんを熟長とする勉強会→

https://goo.gl/eqmVQ4 )の塾生の方が

「数年間、盛和塾で稲盛さんのお話しを

聴いていただけなのに、いつのまにか

会社の業況がよくなった。


塾長の稲盛さんにはとても感謝している」

と稲盛さんにお礼を言ってきたそうです。


もちろん、この塾生の方は謙遜して「ただ

話を聴いていただけ」とお話しされたの

でしょうが、実際には稲盛さんのお話しを

聴いて事業運営について学び、それを

懸命に実践されてこられたのでしょう。


ここまでの記述では、業況のよくない

会社は早めに相談するべきだということを

述べているというように感じられると

思います。


確かに、業績を回復するには、自社単独

よりも外部の力も借りることが得策で

あり、それも早い方がよいことには違い

ありません。


しかし、私が問いたいのは、なぜ、それを

なかなかできないのかということです。


前述の風邪の例では、慢心があるという

ことでしょう。


本当に時間が惜しいのであれば、風邪を

ひいたら早く病院で治してもらうことが

最善の方法です。


それを怠ろうとしたことは、怠惰な心が

あるということだと思います。

同様に、事業が芳しくないとき、それを

自力でなんとかなると考えているのも、

慢心があるからだと考えています。


そして、その慢心は、単に外部の専門家に

早めに相談をするかどうかということに

とどまらず、事業に臨む姿勢全体にも

言えるのではないかと思っています。


もちろん、これは、私自身も自省をこめて

書いています。


慢心をなくすよう、いまから努めていき

たいと思います。

 

 

 

 

 

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