鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

銀行対策は学ぶべきではない

私がコンサルティングを始めて10年

近くが経過しましたが、これまで多くの

会社さまをお手伝いしてきて、やはり、

一般の会社は、いわゆる「銀行対策」

というものを学ぶべきではないと感じて

います。


その理由のひとつは、なかなか銀行の

事情をいうものを、他の事業を営んで

いる方が知るということは難しいと

いうことです。


これは、銀行の融資審査の仕組みが

特に難しいという意味ではなく、本業

そのものが忙しい中で、銀行の事情

まで理解して、銀行対策を行うことは、

現実的には不可能ということです。


もし、そういった余力があるならば、

その余力は、本来の業務に振り向ける

ことの方が得策であると私は考えます。


ただし、銀行の考え方を知ることが、

直接、自社の事業にも役立つという

観点で、「融資対策」を学ぶという

ことはお薦めします。


例えば、毎月、試算表を作成して、

改善点があるかどうかを確認するという

行動は、銀行からの融資を受けやすく

なると同時に、自社の事業のためにも

なります。


すなわち、テクニックというような

申し込みの仕方ではなく、どういった

会社を銀行が評価するのかという

ことを学び、そのような会社になる

ことを目指すことは、自社を発展

させることになるということです。


これは、「銀行対策」を学ぶべきでは

ないというもうひとつの理由でもあり

ます。


裏を返せば、本来は、会社を改善する

ことをしたくないという意図があり、

それが、いわゆるテクニック(または、

「裏技」など)を学ぶ動機になって

いるのではないかと私は考えています。


銀行側も、事業活動は有機的なもので

あり、過剰に予断を持って融資審査を

することは慎むように心がけています。


ですから、仮に、銀行が自社の事業を

否定的に評価していたとしても、

経営者がきちんとした根拠を持って

自社の事業の収益が見込めると考えて

いるのであれば、銀行におもねること

なく、説明をすることは効果があると

考えます。


結論は、銀行が融資をしたくなる会社は

利益を出している会社であり、それに

全力を注ぐことが最善の融資対策である

ということです。

 

 

 

 

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