商品を多くの人が利用するようになり、
リスクとリターンは正比例している
ということも多くの人に認識されて
いると思います。
すなわち、リターンが多くなるほど
投資のリスクも大きくなるという
ことです。
ところで、銀行の融資審査もこれと
同じ論理が働きます。
実際のところは、リスクを客観的に
数値化することは難しいのですが、
仮に、1,000万円の融資の
申し込みがあった会社が、1年後も
事業を続けている確率が95%、
逆に言えば、1年後に倒産している
確率が5%であるとします。
このリスクを金額で表すと50万円
(=1,000万円×5%)という
ことになります。
銀行は、この50万円をリスクと
見込んで費用を計上しますので、融資
金利が5%以上でないと、銀行に
とって、採算のとれない融資という
ことになります。
ところが、この会社は純資産が500
万円あるとすれば、仮に会社が倒産
しても、500万円は自社の資産で
返済してもらえそうなので、リスクは
25万円(=(1,000万円-
500万円)×5%)ということに
なり、融資金利は2.5%以上で
採算が得られることになります。
以上は、ものすごく単純な例なので、
実際はもっと複雑な計算が行われ
ますが、リスクと金利の凡その関係を
理解してもらえると思います。
よく、「銀行から自己資金が少ない
という理由で融資を断られた」という
ことを経営者の方がお話しになる
ことがありますが、この一因には、
融資金利から見て採算がえられる
見込みがないとうこともあると
考えられます。
自己資金は、本来は、創業する前に
貯めてから創業するか、すでに開業
している会社は、ある程度の過去の
利益の蓄えが備わってから、新たな
投資をすべきですが、それ以外の
方法として、ベンチャーキャピタル
(VC)からの出資を受けるという
方法があります。
ただし、VCの出資を受ける条件と
して、株式の価値が、数か年で
出資額の数百倍になることが条件と
いうことが多いようです。
ある意味、VCから見れば、高い
リスクを背負う代わりに、リターンも
ある程度が見込めることが前提という
ことでしょう。
このようなVCを利用することも
避けたいのであれば、やはり、自分
自身で自己資金をためる方法を採る
しかないでしょう。