鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

経営戦略と経営戦術

きょうは、私が指摘するまでもなく、

至極当然のことを書きたいと思います。


事業改善のお手伝いをしている中で、

その会社が、なぜ、なかなか改善が

できないのかということを考えると、

多くの場合、最終的には、そのような

会社は、場当たり的な活動が多いと

いうところに行きつきます。


もちろん、場当たり的な活動よりも

長期的な視点に立った活動をして

いる方が、より優れた業績に結び

つくと考える方は多いと思いますが、

それでは、なぜ、それが実現できない

会社も多いのかというところが、

コンサルタントとして私も大きな

関心をもって探求しています。


とはいえ、その原因はひとつだけでは

ないようです。


そこで、そのうちの大きな要因を

ひとつあげると、経営者の方は、

経営戦略よりも戦術にばかり目が

行がちということが考えられます。


例えば、「街の電気屋さん」が大手

家電小売店との競合に負けないよう、

きめ細かいサービスを提供するという

「戦略」を採ることにしたとします。


しかし、きめ細かいサービスの提供は

一朝一夕にはなかなか実現できません。


顧客カードの整備や、従業員の育成

などが前提となります。


きめ細かいサービスの実践に着手

しても、その翌日から効果が現れる

という訳でもありません。


そう考えると、「インターネットで

集客する」「目玉商品で来店客を

増やす」「イベントを実施する」

などといった、短期的には効果が

見込まれる「戦術」に目が行きがちに

なります。


そこで、長期的にはきめ細かい

サービスの実現をめざすものの、

当面は短期的な戦術も合わせて実践

するということを考えたりもする

でしょう。


これもひとつの方法だと思いますが、

その場合、短期的な目標に向けた

活動と合わせて、長期的な目標に

向けた活動も意識して実践し続ける

ことは、少し難しくなるようです。


なぜなら、数年後に実現するための

課題は、今週、今月に実現しなければ

ならないための課題に劣後されやすく、

それを根気よく実践することは、

強い精神力が必要になります。


また、短期的な「戦術」で効果を

感じることがあると、なかなか効果が

現れない「戦略」を実践することへの

関心が薄れてしまうということも

考えられるでしょう。


ここで話を戻して、「戦術」ばかりを

実践している会社は、顧客からどの

ように評価されるのかということを

考えてみるべきと思います。


例えば、商品の安さを売り物にする、

イベントを実施している、などといった

お店はいくらでもあります。


そのお店がないと困るというような

顧客はあまり多くないでしょう。


ここで、少しかっこいい言葉を使うと、

「使命(ミッション)」「事業領域

ドメイン)」「理念(ビジョン)」の

いずれでも構わないのですが、この

ようなものが感じられない会社は、

顧客にとってあまり支持はされないと

私は考えています。


そして、ミッション、ドメイン

ビジョンを持った会社を実現させる

役割を持つものが経営戦略です。


そこで、経営戦略が大切になるわけ

です。


そして、このことは、多くの方が

当然とお考えなのですが、なかなか

実践できないでいるようです。


今回の結論としては、経営戦略を実践

できるような経営者の強い意思、

そして、それを実践できるだけの

経営資源をともなって事業に臨む

ことが、大きなポイントであると

いうことです。

 

 

 

 

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