鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

事業を改善するときに足りないもの

私が中小企業の事業の改善をお手伝い

するときに、よく苦心することが

あります。


それは、その会社の役員・従業員の

方が、仕事を増やされたり、いままで

とは違ったことをさせらりたりする

ことは避けたいと考えるという

ことです。


確かに仕事を増やすということは

現実的には難しいので、実際には

役員や従業員の方たちの能力を

高めてもらうか、従業員の方を

増やしてもらうことになります。


話しはそれますが、ときどき、

「我々の負担が増えないようにして

事業を改善することが、コンサル

タントの役目だ」ということを主張

する方もおられます。


これは、自分たちがやりたくない

ことをコンサルタントにやって

もらおうと考えている方がお話し

することです。


しかし、仕事の一部を請け負う

ことは、コンサルティングではなく、

業務請負です。


これを野球に例えれば、選手が

コーチからバッティングスキルを

教えてもらおうとしているのでは

なくて、コーチ自身にバッター

ボックスに立ってもらって、

試合に勝とうとしているという

ことでしょう。


そのような他者に依存的な考えを

持つ経営者が経営する会社は、

早晩淘汰されるでしょう。


話しを戻して、事業を改善する時

には、いくばくかの痛みがともない

ます。


精神的なつらさもありますが、

新たなシステムを導入したり、

新たに人を雇うことが必要になる

こともあります。


もちろん、コンサルタントは、

ご支援する会社の負担が大きく

ならないよう工夫をしますが、

まったく負担なく改善することは

不可能でしょう。


これに対し、「事業の改善が必要

なのは、人にもお金にも余裕が

ないからだ」と反論する方も

おられます。


ただ、これは、非論理的ですが、

平成29年6月30日付のブログ

https://goo.gl/WrMYQ9 )にも

書いたように、業績のよい会社ほど

余裕がまったくないのだろうかと

感じられるくらいの姿勢で、懸命に

事業に臨んでいます。


これに対して、過去から累積した

損失というハンディキャップを

かかえながら業績のよい会社と競争

して行こうというときに、少ない

負担で事業を改善しようとすること

自体が無理なことなのではないで

しょうか?


結論としては、事業の改善に不足

するものは、新しい体制であり、

それを整えるための経営者の強い

意思であると私は考えています。

 

 

 

 

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