鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

重要性が緊急性に駆逐されないためには?

今回は、これまで私が何度か述べてきた

ことですが、ボストンコンサルティング

グループのシニアパートナーの秋池玲子

さんがお話しされておられる「緊急性が

重要性を駆逐する」ということについて

述べたいと思います。


これは解説するまでもないと思い

ますが、経営があまり上手でない

会社経営者の方は、日々、目の前のこと、

すなわち緊急性の高いことばかりに

時間をとられてしまい、会社の土台を

作ること、すなわち重要性の高いことを

どんどん後回しにしてしまう状況を

指しています。


ひとつ、極端な例をあげれば、経営者の

方は、明日、明後日に必要になるお金を

工面するために走り回ってばかりでは、

会社は大きくならない。


毎日、お金を工面するために走り回ら

なくてもすむよう、もうかる仕組みを

作ることに注力しなければならないと

いうことです。


これも、多くの方が理解でき、かつ、

賛同されることなのですが、なかなか

実践することは難しいようです。


その原因は、私は、主に2つあると

思っています。


ひとつは、現状に満足してしまう

ことです。


「きょう、切り抜けることができた

のだから、あしたもなんとかなる

だろう」と考え、現状を変えようと

する意欲が少ない経営者の方は、

このようになってしまうと思います。


実は、経営環境の変わる速度は年々

増しているわけですから、変化しない

ということは、後退していることと

いうことは、誰でも理解できること

でしょう。


しかし、変化することを避け、

安易に現状を維持することを選択して

しまうと、結果として、事業は後退

してしまいます。


ふたつめの原因は、仕組みをつくる

ことへの関心が少ないということで

あると思います。


中小企業の場合、経営者の方が、

事業に携わることは当然ですが、

それでも、経営者としての役割を

免れることはできません。


前述の、もうかる仕組みを作ったり、

会社の土台を固めたり、足腰を強く

するという役割は経営者の最も重要な

務めであり、かつ、経営者の立場で

なければ実践することはできません。


ただ、現実には、経営者がそのような

役割を担う必要があると考えている

経営者の方も少なくないようです。


私は、むしろ、このような役割を担う

ことに生き甲斐を感じる方でなければ、

これからは会社経営を遂行することは

難しいと考えています。


緊急性によって重要性が駆逐されない

ようにするためには、経営に大きな

関心を持つことが必要であると考えて

います。

 

 

 

 

 

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