鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

醬油の量り売り

あたりまえのことなのですが、昭和20

年代は、醤油を買う時は、ふたのできる

瓶か缶を酒屋さんに持って行って、

酒屋さんにある醤油の樽から、醤油を

量り売りしてもらっていたということが、

先日、あるテレビ番組で放送されて

いました。


いまからは想像できないことですが、

あたりまえといえばあたりまえです。


その後、昭和30年代になって、スーパー

マーケットが登場するようになってから、

醤油も小瓶に分けられて売られるように

なったようです。


このような工夫は、いまでもずっと続け

られていることは多くの方がご存知の

ことと思います。


最近で著名なものは、ユニバーサル

デザインを採用したシャンプーの容器の

例です。


ユニバーサルデザインとは、障がいの

ある方、高齢者の方などでも使える

ようにするデザインのことですが、

シャンプーの容器には、側面にギザ

ギザを入れることで、あまり目がよく

ない方でもリンスの容器と間違えない

ようにしています。


デザイン面だけでなく、お茶のペット

ボトルは、ごみとして捨てる時に、

かさばらないように、少ない力でも

つぶせるように工夫されているとか、

寝る前でも飲めるようにカフェインを

抜いた紅茶が売られているなど、商品

そのものではなく、商品から消費者が

得られるベネフィットに重点が置かれる

ようになってきています。


このようなことは、よく、近視眼的な

マーケティングマーケティング

マイオピア)に陥らないようにという

主旨で、多くの人がお話しされて

います。


ですから、私がここであえて書くまでも

ないような内容なのですが、とはいえ、

近視眼的なマーケティングに陥っている

経営者の方もたくさんおられます。


その詳細な原因は割愛しますが、主な

理由として、事業を起こす方は、

「●●業を始めたい」と「だけ」考えて

いるからだと思います。


もう一歩深めて述べると、単に、ケーキ

店が、「おいしいケーキを提供する」

だけでは、当然に求められる水準であり、

さらにケーキを買うひとのベネフィットは

何なのかまでを考えておかないと、すぐに

顧客から飽きられてしまいます。


例えば、地産地消の商品として顧客に訴求

するのか、贈答用としてケーキを提供する

のか、健康志向のケーキを提供するのか、

といったところを常にリサーチする必要が

あります。


実は、このリサーチは労力が必要で、

積極的に行われることは、あまりない

ようです。


むしろ、ケーキ屋の仕事はケーキを作る

ことであり、リサーチは仕事ではないと

考えられがちです。


そこで先ほどの話しに戻るわけですが、

このように考える方は、ケーキを作る

ために事業を始めたのであり、事業を

成功させるために開業したのではないと

いうことになります。


結論は、事業運営と会社経営は違うものだ

という認識が大切だということです。

 

 

 

 

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