鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

売上を得ることと稼ぐことと

よく、「年商5億円を目指す」とか、

「利益で5,000万円を稼ぎたい」と

いう目標を口にする経営者の方がいます。


このような目標をもつことについては

問題はないのですが、今回は、売上を

得ることと、稼ぐということは違うという

ことについて書きたいと思います。


実は、年商5億を得ることは簡単です。


10億円で商品を仕入れて、それを

半額で売れば、すぐに5億円の年商が

得られます。


一方で、5,000万円の利益を稼ぐ

ことはたいへんです。


利益率が10%の会社は、その商品で

5億円の売上を得なければなりません。


と、ここまで書いて、そんなことは

当然と考える方が多いと思います。


ところが、これまで私がお手伝いして

きた会社の経営者の行動を見ていると、

稼ぐことよりも売上を得ることに目が

向いてしまう人も少なくありません

でした。


別の書き方をすれば、売上が得られれば、

その取引が利益がでないものであったり、

不採算の取引であっても、安心してしまう

ということです。


そして、そのような方は、利益を得る

ための活動には、あまり積極的には取り

組みません。


また、これを別の書き方をすると、売上

だけに関心がある方は、価値を産み出す

行動に関心がないようです。


前述の、10億円で仕入れた商品を

5億円で売るという例は極端ですが、

10億円で仕入れた商品で、10億円を

超える売上が得られなければ、その会社は

価値を産み出していないことになります。


これも当然のことなのですが、事業は

価値を産み出すことに意義があるにも

関わらず、不採算な取引を続けてしまう

という例は意外にも多く目にして

きました。


では、そのような経営者の方々は、なぜ、

価値を産み出す活動には前向きにならない

のでしょうか?


その原因はいくつかあると思いますが、

私の見立てでは、事業は付加価値を産み

出すことに関心がないからだと考えて

います。


これを言い変えれば、そのような

経営者の方たちは、会社を起こす、

または、経営者に就いた理由は、付加

価値を得ることではなく、経営者という

ポジションを得ることが目的になって

いるのではないかと想像しています。


また、ふたつめの理由として、これは

私も実感していますが、付加価値を

産み出すということは、容易ではない

ということです。


本来は、会社の目的は付加価値を産み

出すことなのに、その本来の目的に

目を向けることを避けているので

しょう。


結論としては、別の記事で述べたことが

ありますが、会社は利益を得ることが

目的であり、それ意外の目的を最優先

してはならないということです。

 

 

 

 

 

 

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