鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

固定費を管理する

固定費というと、売上高が変わっても、

金額が変わらない費用ということは

多くの方がご存知と思います。


そのためか、固定費はコントロール

しにくい費用というイメージを持って

いる人も多いと思います。


しかし、最近は、必ずしもそうとは

言えなくなっています。


というのは、固定費も管理会計

対象として研究されるようになって

います。


管理会計では、固定費をキャパシティ

コストと言います。


厳密には、キャパシティコストは、

アクティビティコスト(活動原価=

活動にともなって発生する費用))の

対語の意味で、本来は、活動を支える

コスト(=経営能力費)という意味

ですが、結果的に、ほぼ固定費と同じ

コストを指します。


キャパシティコストは、さらに

コミッティド・キャパシティコスト

(既定費)と、マネージド・キャパ

シティコス(管理可能費)に分類され

ます。


コミッティド・キャパシティコストは、

具体的には、減価償却費、固定資産税、

保険料、賃借料などで、短期的には管理

できない費用を指します。


一方マネージド・キャパシティコストは、

広告宣伝費、給与など、短期的に管理

できるコストを指します。


さらに、マネージド・キャパシティ

コストは、ポリシー・コスト(政策費)と

オペレーティング・コスト(業務費)に

分類されます。


ポリシー・コストは、試験研究費など、

経営者の方針によって発生するコストで、

オペレーティング・コストは、給与など

事業活動にともなって必然的に発生する

コストを指します。


このように、固定費は、本来は管理が

難しいコストではありますが、細分化

することによって、予算管理などで管理の

対象になりつつあります。


また、部門別業績評価を行うときは、

キャパシティコストのうちマネージド・

キャパシティコストのみを部門の業績に

反映させるなど、業績評価にも活用

されています。


結論は、固定費も成行ではなく、管理する

ことによって効率を高め、ライバルとの

差を広げる糸口になるということです。

 

 

 

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