鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

土俵の真ん中で相撲をとる

「土俵の真ん中で相撲をとる」というのは

稲盛和夫さんの言葉です。


かつて、稲盛さんの知人の経営者が、

手形の決済があるのに、そのための資金が

なかなか集まらず、苦労の末に資金を

かき集めて手形を落としたということを

自慢話にしているのを聞いたそうです。


しかし、稲盛さんは、手形を決済する

ことはあたりまえのことであり、それを

決済したことは何の自慢にもならないと

感じたそうです。


そして、どうせ同じ苦労をするなら、

ぎりぎりの段階になって苦労するのでは

なく、余裕のあるうちからぎりぎりに

なったときと同じように懸命に取り組む

べきだと考えているそうです。


これを、相撲に例えて、土俵際に追い

込まれてから力を出すのではなく、

土俵の真ん中にいる時から全力を出す

べきだとお話しされていました。


これは、私自身にも心当たりがあり、

原稿などは締め切りが近づかないと

なかなか着手できないことがあり、

いつも反省を繰り返しています。


また、中小企業経営者の方についても

土俵際にならないと、なかなか動き

出してもらえないと感じることがよく

ありました。


私が銀行で働いていたとき、取引先の

中で、資金繰りの忙しい会社には、

前もって資料提出などをお願いする

ようにしていました。


それは、月末ぎりぎりになって融資

稟議書を申請すると、じっくりと

稟議書を見てもらうことができず、

承認されなくなる危険が高くなる

からです。


例えば、融資を受ける金額が不確定

であっても、多めの金額で、日数に

余裕を持って申し込んでもらうことの

方が、お互いに楽になることは間違い

ないことは明らかです。


それでも、なかなか、前倒しの対応を

とってもらえない理由は、気持ちの

問題だと思います。


確かに、きょうやあすにやらなければ

ならない仕事があることは理解できる

のですが、いつまでも仕事に追いかけ

られる状態を続けていれば、受動的に

仕事をすることになり、よい結果には

なかなかたどりつけないと思います。


何かのきっかけで、仕事に追いかけ

られる状態から、仕事を追いかける

状態に切り換える、すなわち、土俵の

真ん中で相撲をとる状態にならな

ければ、能動的な事業展開をできる

ようにはならないでしょう。


とはいえ、これは言うは易く行うは

難しであることも事実でしょう。


だからこそ、強い意志を持つことの

大切さも稲盛さんは強く説いています。


そういう私もいつも土俵際で相撲を

とっている状態です。


一方、年に何冊も本をご出版されている、

経営コンサルタントの小山昇さんは、

常に、何冊分かの原稿を書きためている

そうです。


だからこそ、能動的に執筆活動ができる

のでしょう。


一朝一夕にはいきませんが、私も少しでも

土俵の真ん中に近づくようにしたいと思い

ます。

 

 

 

 

 

 

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