鄙のビジネス書作家のブログ

鄙で暮らす経営コンサルタント(中小企業診断士)・ビジネス書作家六角明雄の感じたことを書いているブログ

保証してもらえるなら…はなくなる

2月28日に、信用保証協会の保証に関連

する法律案の閣議決定が行われました。

(ご参考→ https://goo.gl/De3Sjg


保証額に関する概要は次のとおりです。


(1)大規模な経済危機、災害等の事態に

際して、予め適用期限を区切って迅速に

発動できる新たなセーフティネットとして

危機関連保証を創設。


(従来の保証限度額とは別枠で最大2.8

億円の、保証割合100%の保証を実施)


(2)小規模事業者の持続的発展を支える

ため、特別小口保険の付保限度額を、

1,250万円から2,000万円に

拡充。保証割合は100%を維持。


(3)創業チャレンジを促すべく、創業

関連保証の付保限度額を1,000万円

から、2,000万円へ拡充。保証割合は

100%保証を維持。


これらの変更は、信用保証協会の保証額が

拡大するというような印象を受けます。


その一方で、今回の法案の背景として

「金融機関が過度に信用保証に依存する

こととなると、事業性評価融資やその後の

期中管理・経営支援への動機が失われる

おそれがあるとともに、中小企業に

おいても資金調達が容易になることから、

かえって経営改善への意欲を失う、

といった副作用も指摘されている」と

いうものと挙げています。


その結果、「(1)金融機関による信用

保証の付かない融資(「プロパー融資」)

を確保することが、その中小企業に対する

金融機関の積極的な支援姿勢に直結する

ことから、信用保証協会が、金融機関の

「プロパー融資」の状況や経営支援の

方針等を確認しながら保証を実施する

ことにより、「保証付き融資」と

「プロパー融資」を適切に組み合わせる

リスク分担を行う。


(2)既存のセーフティネット保証制度の

うち不況業種に対するもの(5号)に

ついては、金融機関がより前面に立って

経営改善や事業転換等が促されるよう、

その保証割合(現行100%)については

80%とする」というような変更が行われ

ます。


これは、信用保証協会の現状を反映して

いると思います。


すなわち、金融機関がリスクをとることを

避け、信用保証協会に依存し、そのことが

融資先に対する前向きな取り組みを阻害

しているということです。


私は、この考え方は妥当だと思います。


正直なところ、金融機関は「信用保証

協会が保証してくれるなら融資をする」

という姿勢であったり、さらにひどい

場合は、「信用保証協会の保証を得る

ことができる案件しか融資をしない」と

いう場合もあります。


なぜ、そういう金融機関があるのか、

そして、そういう金融機関との融資取引は

どうしたらよいのかということについては

また別の機会に述べたいと思います。


今回は、「信用保証協会が保証してくれる

なら」という条件での融資はこれからは

なくなっていくということをお伝えしたい

と思います。

 

 

 

 

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